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企業がビジネス日本語研修を導入するときに使える教材|日本語レベル別に9選ご紹介
2023年12月27日 公開

近年、日本企業で働く外国人従業員の増加に伴い、外国人向けのビジネス日本語研修用の教材も多く市販されるようになりました。そういった中で、外国人従業員の研修担当者の中には「外国人向けのビジネス日本語の教材はたくさんあるけど、どれが社員の日本語レベルに合っているのか分からない、現場で本当に使える日本語が身につく教材を選びたい」といった悩みをお持ちの方も少なくないかと思います。
当記事では、そのようなお悩みの方向けに、JLPT(日本語能力試験)のレベル別に厳選したビジネス日本語教材9選をご紹介します。初級者から上級者まで、職場での実践力を伸ばせるテキストを中心に、特徴や活用ポイントも合わせて解説します。
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日本語レベル別おすすめ教材と到達目標
各レベルでは、学習者が「どのような場面で日本語を使えるようになるか」を明確に意識することが重要で、たとえば、初級レベル(N5〜N4)ではあいさつや基本的な指示の理解が中心ですが、中級レベル(N4〜N3)では社内での報告・相談が可能になり、上級レベル(N2)以上では顧客対応やプレゼンなど高度な業務会話が求められます。その他、製造業、建設、ITの業界別の専門教材も取り入れることで各用語のインプット効率を高めることも可能です。
【初級者向け(JLPT N5〜N4)ビジネス日本語教材】3選
まだ日本語の基礎を学んでいる外国人社員でも、現場ではすぐに日本語でのコミュニケーションが求められます。 このレベルでは「敬語」「あいさつ」「報告・連絡・相談」といった基本動作を正しく学び、職場で円滑に働ける日本語を身につけることが目標です。
■ わかるビジネス日本語
会社での日常会話から電話対応まで、初級レベルの学習者が実際の職場で使う日本語を無理なく習得できる内容です。
文法の基礎を押さえながら、会話練習やロールプレイを通して“話す力”を育てる構成になっています。
特に「社内コミュニケーションに慣れていない外国人社員」におすすめで、研修担当者が進行しやすい設計も魅力です。
■ ゲンバの日本語 シリーズ(基礎・応用・単語帳)
製造・建設業など、現場中心の「現場で働く外国人」を対象にしたシリーズ教材です。
安全指示の確認、報告・相談といった現場特有の会話を中心に構成されています。
基礎編で「理解して話す力」を養い、応用編で「指示や相談を自分から行う力」を強化。
さらに単語帳を併用すれば、工具・部品・作業動作など業界特化の専門用語を効率的に習得できます。
基礎編:働く外国人のための日本語コミュニケーション
応用編:働く外国人のための日本語コミュニケーション
単語帳(建設・設備)
単語帳(製造業)
■ しごとの日本語 メールの書き方編(アルク)
日本のビジネス文化を理解するうえで欠かせない「メールマナー」をテーマにした実践教材です。
文書の書き方や表現の違いだけでなく、「相手に失礼にならない書き方」や「依頼・報告・お礼などの使い分け」を丁寧に解説。
例文が豊富で、研修後すぐに実務で活かせる構成です。
メールでのやり取りが多いオフィス職や、管理部門の外国人社員に最適です。
【初中級者〜中級者向け(JLPT N4〜N3)ビジネス日本語教材】3選
ある程度の日本語基礎力を持つ社員には、実際の職場でのやり取りをより自然にするための「応用力」や「発話力」を育てる教材が効果的です。 また、仕事の現場のシチュエーションや日本独特のビジネス慣習を理解してもらうことが必要であるため、その解説を含んでいる教材を選ぶことがとても大事です。 以下では日本語力が初中級者から中級者向けのビジネス日本語教材を紹介させていただきます。
■ にほんごで働く!ビジネス日本語30時間
限られた研修時間で効率よく成果を出したい企業に最適なコンパクト教材。
30時間という短期間で、会議・報告・プレゼン・電話対応など、主要なビジネスシーンを網羅しています。
巻末の自己チェックシートにより、学習進捗を可視化できるのもポイント。
実践的な練習が多く、グループ研修やオンライン講座にも導入しやすい構成です。
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■ 人を動かす! 実戦ビジネス日本語会話 中級1
ビジネスの場で求められる「主体的な発話力」を強化する中級教材。
上司への提案、取引先への説明、チームでの意思決定など、実際の職場に即した内容で構成されています。
会話のトーンや言葉の選び方を磨くことで、より自然で説得力のある日本語を身につけられます。
中級レベルの社員研修に特におすすめです。
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■ しごとの日本語 IT業務編(アルク)
ITエンジニアやプログラマー、システム担当者のために設計された業界特化教材。
日本企業特有の「報連相」文化を踏まえ、開発ミーティングや顧客説明の場面を題材に実践練習ができます。
英語混じりの現場でも使える日本語表現を学べる点が特徴で、グローバルなITチームに特におすすめです。
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【中級者〜上級者向け(JLPT N2〜N1)ビジネス日本語教材】3選
このレベルでは、ビジネスシーンで自信を持って発言・提案できることや、コミュニケーションにおいて齟齬が起きないように正確な言葉遣いができるようになることが目標になります。 「論理的に話す」「相手の立場を考えて表現する」といった高度な日本語運用力が求められます。 参考となる教材を3点ご紹介します。
■ ビジネスケースで学ぶ日本語
実際の企業事例をもとに、日本語で考え・話し・議論するトレーニングを行う上級者向け教材。
会議や面談などで自分の意見を的確に伝える力を養います。
外国人マネージャーや管理職候補向けの社内研修に最適です。
読解・討論・プレゼンと、4技能をバランスよく鍛えられるのも魅力です。
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■ 人を動かす! 実戦ビジネス日本語会話 中級2
中級1の発展版として、より複雑な場面(交渉・企画・クレーム対応など)を扱います。
意見の対立を調整する力や、提案の説得力を高める会話表現など、マネジメント層にも役立つ実践内容。
ペアワークやグループ討議を通じて、「聞く力」と「発言力」を同時に養えます。
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■ 人を動かす! 実戦ビジネス日本語会話 上級
上級者向けの集大成教材。マネージャーやチームリーダーなど、指導的立場に立つ外国人社員を対象としています。
プレゼンテーション・交渉・会議のリードなど、経営層や顧客対応に必要なスキルを磨けます。
単なる言語力だけでなく、「相手の心理を考えた発話」まで踏み込んで解説されている点が特徴です。
教材ページはこちら
次のステップ:費用対効果を最大化するための教材選定の進め方
ここまで、レベル別のおすすめ教材をご紹介しました。
では、実際に自社の外国人社員に最適な教材を選ぶには、どのようなプロセスを踏めばよいのでしょうか?
「どのように教材を選び、研修を設計すれば成果につながるのか」を、5つのステップでまとめています。
1. 現在の日本語レベルを把握する
まず、社員の現状レベルを正確に把握します。
JLPT(N5〜N1)やCEFR-Jなどの客観的指標に加えて、社内での「報告・相談」「ミーティング理解」など実務行動に基づいた評価を取り入れるとより実践的です。→日本語会話レベルのチェック ができるものがおすすめです。
2. 目標とするレベルを具体化する
「N3を取る」ではなく、「会議参加・作業報告など、業務に必要な会話運用ができる」
など、業務行動レベルで“できること”を言語化しましょう。→日本語会話レベル別の実際の動画 をご覧いただき、目標とするレベル感をイメージすることがおすすめです。
これが教材選定の軸になります。
3. 必要な学習時間を把握する
JLPTで言えば、一般的な日本語教育においてレベルアップに必要な学習時間の目安は以下の通りです:
| レベル | 累計学習時間(初心者から) | 前レベルからの追加学習時間 | 1日1時間学習した場合の目安期間 |
|---|---|---|---|
| N5 | 約150〜300時間 | — | 約5〜10ヶ月 |
| N4 | 約300〜400時間 | 約150〜250時間 | 約5〜8ヶ月 |
| N3 | 約450〜600時間 | 約150〜200時間 | 約5〜7ヶ月 |
| N2 | 約600〜800時間 | 約300〜400時間 | 約10〜13ヶ月(約1年〜1年1ヶ月) |
| N1 | 約900〜1200時間 | 約300〜400時間 | 約1年3ヶ月〜1年8ヶ月 |
目標達成時期(例:6か月以内)から逆算し、1日・1週間の学習量を可視化します。
4.目的に合った教材を選ぶ
基礎力強化用、業務語彙用、会話実践用など、教材の役割を明確化して組み合わせることが大切です。
たとえば:
- 「にほんごで働く!30時間」:職場日本語の基礎
- 「ゲンバの日本語 応用編」:報告や、安全面の日本語、職場でのやりとり練習
- 「ゲンバの日本語 単語帳(製造・建設)」:語彙の定着強化(補助教材)
各受講生のレベルや目標に合わせて選定しましょう。このようなカリキュラムやテキストを組み合わせることが効果的です。
5. 定期的に進捗をチェックし、内容を調整する
3〜6ヶ月ごとに理解度を確認し、教材や学習時間を調整します。
とくに中上級レベルでは「聞く・話す」の伸びが見えにくいため、会話ロールプレイやプレゼン課題の録音評価なども取り入れましょう。
→こちらのように各受講生の学習進捗がわかる進め方が状況把握、社内への説明のためにも有効です。
導入事例|教材を“使い切る”設計で成果が出たケース(オフィス家具メーカー/東証プライム上場)
外国籍エンジニアを毎年採用しているオフィス家具メーカー(東証プライム上場)では、教材を購入しても「現場で使える日本語」まで定着しにくい点が課題でした。
日本語オンラインスクールでは、受講生のレベル(N5〜N4)に合わせた教材を選定しつつ、レッスン内でロールプレイ・報連相練習・業務表現の言い換えを反復し、宿題(音読・要約)で定着を支援。
結果として会話力が底上げされ、JLPT N3/N2合格者も増加し、現在は累計50名以上・4期連続で研修を継続導入いただいています。
※他にも、IT・製造・建設業界を中心に多数の導入実績がございます。
日本語オンライン研修の導入事例一覧はこちら
まとめ:教材+オンラインレッスンで「現場で使える日本語力」を
ここで紹介したレベル別の9冊は、どれも“職場ですぐに使える”実践型教材です。
一方で、社員の日本語力や職種、業務内容は企業ごとに異なり、「教材をどう活用するか」が成果を左右します。
そこでおすすめしたいのが、日本語オンラインスクールによるカスタマイズ型研修です。
当スクールでは、上記で紹介した教材を活用しながら、各企業の業界・職種・社員レベルに合わせたオンライン日本語レッスンを提供しています。
建設・製造・IT・サービス業など、多業種での導入実績があります。
「会話力チェック、教材選びから研修設計まで相談したい」という企業様も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
現場で本当に使える日本語力を、確実に育てるお手伝いをいたします。



