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無料で利用可能!外国人向けの日本語教材まとめ
2023年8月14日 公開
外国人向けの日本語教材は種類も多く、何をどのように選べば良いか悩んでしまう人事・研修担当の方もいらっしゃるかと思います。本記事では、そのような方向けに日本語教材選びの参考になるよう、日本語学校でも使用されることのある無料で利用可能な日本語学習教材を多数ご紹介していきます。
▼やさしい日本語Easy Japanese会話編
『やさしい日本語』はNHKが運営している無料で「やさしい日本語」が学べるサイトです。レッスンは40回以上あり、アニメーションの動画を見ながら日常的によく使われる会話を楽しく勉強できます。動画にはすべて字幕やふりがながついているので初心者の方でも安心して学べます。
▼生活日本語テキスト なでしこジャパニーズ
神戸国際コミュニティセンターが提供している日本語教材です。日本で生活する外国人が知っておいた方が良い日本の行政制度や、日本での日常生活で直面する場面で必要な日本語を、短期間で集中的に学習することを目的としています。入門・初級レベルから中級レベルの日本語に対応しています。
▼JFにほんごeラーニング みなと
国際協力基金が提供している日本語のオンライン勉強サイトです。無料の「自習コース」と有料の「教師サポート付きコース」の2種類があり、自分にあった学習スタイルに合わせて選択することができます。他にも、受講者同士が交流できるコミュニティがあり、日本という共通の話題をもった仲間を探すことができます。忙しくて学校に通う余裕がない方や、お試しで日本語学習を始めたい方に最適です。
▼いろどり 生活の日本語
『いろどり』は、国際協力基金が作成しているオンラインの無料テキストです。無料でダウンロードして使うことができます。日本での生活に出てくる会話が中心の内容のため、日常生活や仕事をする際に必要な基礎的な日本語のコミュニケーションを身につけることができます。中国語、ベトナム語、韓国語、ウクライナ語等を含む15言語に対応しています。
▼外国人住民のための日本語教室オリジナルテキスト
公益財団法人京都府国際センターが提供しているテキストです。外国人の方が日本で生活する上で、必要な基礎レベルの日本語のコミュニケーション能力の獲得を目的としています。
学習プランをもとに適切な教材を使うことが、日本語力アップの近道です
どのような教材を使えばいいのか?という教材選びを迷うことも多いと思いますが、その判断のためにはまず最初に、現在の日本語レベルと目標とする日本語レベルを明確に設定することが重要です。そして、適切な学習プラン、教材を使って学習することが、日本語力アップのためのポイントになるためです。しかし、現在の日本語レベルを正確に把握したり、目標とするレベルの設定を具体的にすることは困難な場合もありますので、以下にて目標やレベル設定の際に参考にできる日本語力の指標をご紹介します。
「日本語レベル」と「ビジネス現場でできること」を理解することが適切な目標設定・達成へとつながります。
10段階会話レベル評価(独自)
当スクールが過去1,000名程度の受講生のレベルをベースに、会話力に特化した10段階評価のレベルを設定しました。独自基準として、受講生の現状の会話力レベルチェック、目標設定、受講生がどの程度レベルアップをしたか客観的に数値評価をするために活用可能です。実際に御社でも、外国人社員の現在の日本語レベルの把握や、どのレベルを目指せばいいのか?という点において、ご参考にいただけると思います。
私たちは、OPIレベル基準※をもとに、10段階で会話力を評価します。
※OPI(oral proficiensy interview)とは、口頭運用能力を計測するために開発された、1対1のインタビュー形式の試験で、会話力を10段階に分けて評価します。
1,000名以上の受講生実績データをもとにした、
会話レベルとビジネス現場でできることについて
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JLPTレベル |
会話レベル |
ビジネス現場でできること |
初級 |
N5レベル相当 |
1 |
「こんにちは」「私は○○人です」「名前は○○です」などいくつかの決まったフレーズを使うことができる。 |
2 |
「仕事は~時からです」「仕事は~曜日です」など、日課について簡単に言うことができる。 |
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3 |
「休みはいつですか」「日曜日です」など、日常的なことについては、短い受け答えができる。 |
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中級 |
N4~N3レベル相当 |
4 |
聞き返しは多いが、日本人社員がゆっくり話してあげれば、なんとかコミュニケーションは成立するレベル。 |
5 |
日本人社員がゆっくり話せば、コミュニケーションは成立するレベル。会議中の会話内容の理解度は30~40%程度。 |
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6 |
社内での日本人社員との会話は比較的スムーズにできるレベル。会議中の会話内容の理解度は60%~70%程度。 |
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上級 |
N2~N1レベル相当 |
7 |
社内での日本人社員との会話は問題なくスムーズにできるレベル。会議中の会話内容の理解度は80%~。 |
8 |
たいていの場合において言葉に詰まることなく、わかりやすく説明することができる。社会的、専門的な話題にもついていける。敬語も十分に使えるので、顧客とのやり取りを1人で任せられるレベル。 |
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超級 |
かなりネイティブに近い~ |
9 |
かなりネイティブに近いですが、ことわざなど独特な言い回しは理解はできても使うことは難しい場合がある。 |
10 |
ビジネス経験のある日本人と比べても遜色が無い。 |
(※1000名のデータに基づく)
次に当スクールでレッスンを行なっている生徒さんの実際の会話レベルの動画について紹介します。御社の場合は、どのレベルを目指せばいいか実際の音声を聞きながらご参考にしてみてください。
会話レベル4、建設現場の技術者(ベトナム人)の場合
様々な質問に文単位で話すことや質問に答えることができます。しかし詳しく答えようとしても限られた身近な話題以外は、話を完結させることができずに途中で切れてしまいます。また発音では母語の影響が出ています。
会話レベル6、ITシステム開発の技術者(中国人)の場合
質問に対して様々な状況を理解して、具体的な例を挙げながら分かりやすく答えることができます。全体的にまとまりのある文章を話しますが、内容が複雑になったり、文章を長くしたりすると流暢さが落ちてしまいます。
会話レベル8、ITシステム開発の技術者(中国人)の場合
自分の考えやトピックの背景を詳細に話し、一歩進んだ発想で話を進めることができ、発話量も安定しています。上級レベルの内容を話したり表現を使ったりすることができています。
学習時間とアウトプット量の確保が重要です
日本語力の上達は、「インプットとアウトプット」のサイクルをどのくらい回せるかにかかっています。
学習時間と日本語レベル向上の関係については、こちらのコラムをご参考ください。研修・自学を通して、業務に直結した内容を学び現場で「書く・話す」機会を増やすことで、学びを体得できます。
つまり外国人社員の日本語力を短期間で向上させるには、「現場に近い研修内容」と「現場でのアウトプット機会」が重要となってきます。研修会社を選ぶときには、「実践的なカリキュラムか」を確認して選ぶとよいでしょう。
また企業様で日本語アウトプット機会を用意してあげると研修との相乗効果がでるので、学習スピードが向上します。
下記ページでは、実際の研修事例をもとに、教材選定、レベルチェックと目標設定、学習プラン、受講後の成果についてご紹介しておりますので、ご参考ください。
外国人社員向けの日本語研修を効果的に進める目標設定のポイント 製造業事例と学習プランのご紹介
会話レベルは学習者が持つレベルと企業様が求める目標レベルを元に期間などを算出するのですが、企業側としてはあらかじめ期間や習熟度などの効果が明確である方が理解がしやすいでしょう。
外国人従業員がいる多くの企業では外国人社員にも即戦力として働いて欲しいと考えるため、日本語学習は費用対効果を考慮し力を入れて取り組みたい分野でもあるでしょう。
ここでは実際の教育事例や外国人社員採用についてお役立ちコラムを定期的に配信します。
まとめ
どの日本語教材でもこれをひとつやれば大丈夫ということはありませんので、 外国人の日本語レベルや目的など一人一人のニーズに合わせて複数組み合わせたり、使い分けて利用すると効果的です。本コラムが教材選びの参考になりましたら幸いです。