日本語オンラインスクール > 代表者コラム >
【建設・製造分野】の外国人向け日本語教材まとめ 9選
2025年11月19日 公開
近年、日本の建設業界や製造業界では人手不足が大きな課題となっています。
特に地方や中小企業では、若年層の採用が難しく、技能実習生や特定技能人材など、外国人材の活用が急速に進んでいます。
しかし、その一方で現場からは「日本語の指示が伝わらない」「安全確認の会話がスムーズにできない」といった声も少なくありません。一般的な日本語教材で学ぶ「日常会話」と、現場で求められる「作業指示」「安全管理」「チーム内報告」などの言葉づかいは大きく異なります。
たとえば建設現場では「足場」「型枠」「通しボルト」など専門用語が頻出し、製造現場では「検査」「不良」「工程」「段取り替え」など、独自の用語が飛び交います。
こうした言葉を理解し、適切に反応できなければ、作業のミスや事故につながるリスクもあります。
このような課題を背景に、近年は「現場で働く外国人向けの日本語教材」が充実してきています。今回は、特に建設・製造業の現場で実践的に使える代表的な9つの教材をご紹介します。
建設・製造共通の日本語教材(3点)のご紹介
① ゲンバの日本語 基礎編ー働く外国人のための日本語コミュニケーション
https://www.3anet.co.jp/np/books/4230/
「ゲンバの日本語 基礎編」は、初めて日本の職場で働く外国人向けに作られた入門教材です。特徴は、現場で実際に使う日本語を「場面別」「会話形式」で学べる点です。
たとえば以下のようなシーンが収録されています:
- 朝礼でのあいさつや自己紹介
- 上司からの指示に対する聞き方・返答の仕方
- 道具や材料の名前を尋ねる表現
- 作業前後の安全確認の声かけ
イラストや会話例が豊富で、日本語初級レベルの学習者でも理解しやすい構成です。
音声データも用意されており、実際のイントネーションやスピード感を聞きながら練習できるのも魅力です。
また、「敬語を完璧に話す」よりも「相手に伝わる日本語」を重視しており、現場での即戦力アップにつながる内容になっています。
② ゲンバの日本語 応用編ー働く外国人のための日本語コミュニケーション
https://www.3anet.co.jp/np/books/4232/

「基礎編」を終えた後に取り組むステップアップ教材で、より実践的なコミュニケーション力を養います。
扱うテーマは「品質」「安全」「作業効率」「報告・連絡・相談」など、現場のリーダー層や熟練工にも役立つ内容です。
特に、外国人が苦手としやすい「トラブル報告」や「上司への相談」の言い方を丁寧に取り上げており、実際の会話例がそのまま現場で使えるレベルです。
また、付録には指導者(日本人側)向けの解説も含まれており、教育担当者が教える際のサポートツールとしても重宝します。
日本語力のばらつきがあるチームでも、基礎編と応用編を組み合わせることで、レベルに応じた学習プランを組み立てることができます。
③ げんばのにほんご(OTIT公式教材)

https://www.otit.go.jp/trainee/ja/material/genba/index.html
外国人技能実習機構(OTIT)が公開している「げんばのにほんご」は、無料で利用できる教材として高い評価を受けています。
動画・音声・PDF教材が一式揃っており、建設・製造・食品加工など、複数業種に対応しています。
教材の中では、作業手順や安全確認、報告の流れを動画で視覚的に学べるのが特徴です。
特に、指示語(これ・それ・あれ)や動作表現(持ってきて、止めて、外してなど)を具体的な動きと結びつけて覚えられる点は、現場教育に非常に効果的です。
日本語教師や管理責任者が無料で活用できるため、研修コストを抑えたい企業にもおすすめです。
参考記事:ゲンバの日本語の概要
建設・設備業界向けの日本語教材(3点)のご紹介
建設業界で役立つ教材3選
④ ゲンバの日本語 単語帳 建設・設備

上記「ゲンバの日本語」シリーズの単語帳版。建設・設備業界で頻出する単語を分野別に整理し、効率的に学習できます。「足場」「配管」「鉄筋」「安全帯」など、現場で実際に使う語彙を写真やイラスト付きで覚えられる構成です。
基礎編・応用編と併用すれば、語彙力と会話力の両面から日本語力を底上げできます。
⑤ 厚生労働省:外国人建設就労者のための教材

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10973.html
厚生労働省が監修する外国人建設就労者向け教材。安全・衛生・作業ルールなど、建設業界で働く上で欠かせない基本知識を多言語で学べます。
日本語だけでなく英語・ベトナム語・中国語などにも対応しており、教育担当者が複数国籍の外国人を同時に指導する際にも便利です。
⑥ 外国人建設就労者のための安全衛生教育映像教材

https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/foreign_worker_education/index.html
建災防(建設業労働災害防止協会)が作成した映像教材。
建設現場で実際に起こりやすい事故やヒヤリハット事例を映像で再現し、外国人にも理解しやすく学べる内容です。安全教育や入社時オリエンテーションの教材として非常に有効で、各社で導入が進んでいます。
参考記事:
外国人従業員の日本語研修に最適!建設・設備業界向け教材『ゲンバの日本語』
建設業で増えつつある、外国人特定技能2号に向けた日本語研修の取り組みについて
建設業界で働く特定技能のインドネシア人向け日本語ビジネス研修
製造業界で役立つ教材3選
⑦ ゲンバの日本語 単語帳 製造業

https://www.3anet.co.jp/np/books/4234/
製造ラインで働く外国人に必須の単語をまとめた1冊。「組立」「検査」「品質」「不良」「工程」などの用語を、現場写真とともに学習できます。現場指示の理解を助け、作業効率を大きく向上させる教材です。
⑧ はたらく日本語 (13)製造業用語 ~製造業のことば~

https://www.youtube.com/watch?v=TIhiV1J3jp4
富士日本語学院が制作した動画教材。製造現場の用語や指示表現を、実際の映像とともに学べます。「ベルトコンベア」「検品」「計量」「組立ライン」など、具体的なシーンを映像で再現。動画形式のため、学習者が直感的に理解しやすく、オンライン研修にも最適です。
⑨ 外国人労働者向け安全衛生教育教材(素形材産業・産業機械製造業・電気・電子情報関連産業)

厚生労働省が制作した動画教材で、製造現場における安全衛生教育を目的としています。
機械操作や電気設備に関する注意点、作業時の危険予知などを分かりやすく映像で説明。
新人研修や安全講習会の補助教材として広く活用できます。
参考記事:
製造業界で働く外国人向け日本語研修 - 実践的な学習で現場の即戦力に
製造業(機械・電気エンジニア)で働くベトナム人向け日本語ビジネス研修
外国人社員向けの日本語研修を効果的に進める目標設定のポイント 製造業事例と学習プランのご紹介
業界向け日本語教材+オンライン日本語研修で「現場対応力」を最大化
いかがでしたでしょうか。これらの紹介してきた日本語教材を活用することで、外国人従業員の理解度や作業精度が向上し、現場の安全・効率性の改善にもつながります。しかし、教材だけでは解決できない課題もあります。現場によって使用する専門用語やルール、作業手順が異なるため、自社の現場に合わせたトレーニングが重要になります。
その点で注目されているのが、日本語オンラインスクールによる建設・製造業向け日本語研修です。オンラインで全国どこからでも受講でき、教材をベースに「実際の現場写真やマニュアルをもとにしたカスタマイズレッスン」を実施できます。
たとえば:
- 建設現場での安全ミーティング用フレーズを練習
- 製造ラインの作業手順を日本語で説明する練習
- 上司への報告・相談ロールプレイ
など、実務に直結した内容でトレーニングを行うことが可能です。
まとめ
外国人社員の日本語力を強化することは、単なる語学教育ではなく、企業全体の安全性・生産性を高める投資です。今回ご紹介した教材をうまく組み合わせ、現場に最適化した研修を導入することで、外国人社員が安心して働ける環境づくりが進みます。
日本語オンラインスクールでは、建設・製造業で働く外国人従業員向けのオンライン研修実績が多数ございます。教材を活用したレッスンはもちろん、現場の課題や目的に合わせたオーダーメイド研修にも対応しています。まずはお気軽にご相談ください。
