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外国人社員が日本語の報告書等の作成が支障なくできるには?

2023年7月3日 公開

日本語が上手く話せる外国人従業員であっても、取引先の現場で報告書等を手書きで記入する際、上手く書けなかったり、時間がかかってしまうケースが多いです。今回の記事では当スクールにて受講されている企業様からお問い合わせいただいた際の実際の課題や目標設定について一例としてご紹介します。

ケース1

対象者:Sさん(スリランカ出身 )
年齢:31歳
日本語レベル:N2
担当業務内容:
・ガスタービン発電設備のアフターサービス業務
・工事報告書など現地で客先へ手書きで記入する書類あり

目標設定

報告書等の作成が支障なくできるレベル
客先の現場で、報告書を手書きで書くケースが多い

Sさんの課題

・漢字の読み書き…漢字練習は日本語学校だけで今は続けていない。
・メールの書き方…Googleで調べて先輩にチェックしてもらうが、日本人でも使わない語彙や言い 回しを使ってしまう。社内メールと社外メールの違いがまだ身についていない。
・社外での敬語の使い方

導入前事前レベルチェック時のSさんの日本語レベル

日本語会話レベル…7.5(=JLPT N2前半相当)

Sさんは社内での日本人社員との会話は問題なくスムーズにできるレベル。会議中の会話内容の理解度は80%以上。よく知っている話題については、充分に話すことができるので、会話も弾む。自分の考えを論理的に伝え、相手を説得することができる。

使用テキストと日本語学習プラン

Sさんの日本語レベルと目標設定に基づき、以下のテキストと学習プランを用意。

宿題では、毎回テーマを出し、そのテーマに沿った内容のメールや、手書きをしてもらい、漢字のチェックや、語彙、書き方が適切かどうかについて修正をしていきました。

【漢字】
・実際の手書きのものを画像添付にて講師に提出→レッスン内でフィードバック

【メールの書き方】
・語彙確認、メール作成へのフィードバック

受講後の専任担当講師からのフィードバック

会話レベル…8
敬語も十分に使えるので、顧客とのやり取りを1人で任せられるレベル。たいていの場合において言葉に詰まることなく、わかりやすく説明することができる。社会的、専門的な話題にもついていける。

発音・アクセント…日本人に近い発音で会話ができる。音読ではたどたどしく読んでしまう。
流暢さ…会話においてはスラスラ話すが自信がなくなると文を途中でやめてしまう。
既習済み文法・語彙を使えているか…既習文法、語彙はあまり確認できない。研修開始以前から使い慣れた言葉(間違いも含め)で完成されてしまっている。
今後の課題…ビジネス敬語を使いこなす学習が必要。正確な文を丁寧に発言する習慣。

【今後も継続して取り組んでほしい点】
①正確に日本語の文章を作り、発言することをお勧めします。授業での発言には間違いが多々あり、聞き手が勘を働かせて理解する必要がありました。会話内容が複雑になった場合には正確さが必須になりますので一語一語丁寧に正しい日本語になっているかどうかを見直して学習することが必要です。

②敬語(とくに動詞)で尊敬語と謙譲語、丁寧語を正しく使う事を学習していただきたいです。特に目上の人に対して丁寧な敬語を使おうとして、二重敬語を使用してしまう場面がありました。二重敬語は相手に失礼な印象を与えるため、使わないように注意しましょう。

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