外国人社員への日本語研修なら日本語オンラインスクールへ
日本語オンラインスクール

               お見積もり・ご相談

代表者コラム

日本語オンラインスクール > 代表者コラム > 建設業界で働く特定技能のネパール人向け日本語ビジネス研修

建設業界で働く特定技能のネパール人向け日本語ビジネス研修

2025年6月12日 公開

日本の建設業界では、高齢化と若年層の就業離れにより、慢性的な人手不足が続いています。こうした背景から、2019年に創設された「特定技能」制度を活用し、海外からの人材を積極的に受け入れる企業が増えています。

中でも注目されているのが、ネパール人の特定技能者です。ネパール人は温厚で協調性が高く、責任感のある人が多いことから、日本の現場においても高評価を得ています。また、日本語や新しい文化への順応力も高く、職場に溶け込みやすいという特徴があります。

とはいえ、日本語での専門的な指示や、日本独自の職場マナーに戸惑うネパール人も少なくありません。だからこそ今、「建設現場に即した日本語と文化の理解」を支援する研修が重要になっているのです。

どのくらいの学習期間で、どれくらい日本語が伸びるのか?

外国人社員の日本語学習の進捗がひと目でわかる!人事向け「月次レポート」について

ネパール人技能者に必要な日本語力とは?

建設現場では、教科書に載っていない以下のような言語理解のスキルが求められます:

  • 作業指示の理解と正確な対応
  • 危険予知と周囲への注意喚起
  • チームとの円滑な連携・報連相(報告・連絡・相談)

例えば、現場では、以下のようなやりとりが日常的に行われます:

現場監督「高所作業するから、ヘルメットをちゃんと被ってね。」
ネパール人作業員「はい。わかりました。」

→ 返事はするが、アゴ紐をつけていないまま作業を開始して監督から怒られてしまう。

(原因)

  • 日本では"ヘルメットの正しい装着"が常識だが、ネパールでは形だけかぶればOKという認識がある
  • 安全意識に対する文化的な違いがある

このような日本語での指示に含まれている内容をしっかりと理解できないと建設現場では事故や工程ミスの原因になります。

日本とネパール──文化の違いが生む職場のすれ違い

ネパールと日本では、働く上での価値観や行動様式にいくつかの違いがあります。

① 指示の受け取り方と「自律性」の違い

ネパールでは上司の指示を待つ文化が一般的ですが、日本の建設現場では「自ら動く」「自分の判断で先を読む」ことが求められます。受け身になりすぎると「消極的」と誤解されることもあります。

② あいまいな言い回しと敬語文化

日本語では直接的な表現を避け、「~していただけますか?」「~のほうをお願いできますか?」など丁寧であいまいな表現が使われがちです。ネパール人にとっては意図がつかみにくいこともあり、誤解につながることも。

③ 時間感覚と安全意識

日本では「5分前行動」や「KY活動(危険予知)」が常識です。ネパールではもう少し時間に寛容な文化もあるため、時間厳守や安全ルールの徹底は意識して教える必要があります。

ネパール人向けのビジネス日本語研修──2つのポイント

ネパール人技能者の文化的背景を理解したうえで、現場で実際に役立つ日本語を習得してもらうために以下の2つのポイントを紹介していきます。

(1)作業と安全に直結する日本語トレーニング

  • よく使われる作業指示や報告・相談フレーズを、写真・動画・ロールプレイで体得
  • 危険を知らせる・確認する・指示を復唱するなど、安全を守るための表現に重点

例文学習:
「この柱は曲がっているかもしれない。見てください。」
「トラックが来ます。気をつけてください。」
「作業が完了後、終わったら報告してください。」

(2) 日本のビジネスマナー・現場文化もあわせて指導

報連相の文化差

ネパールでは「失敗や問題」は上司に言わず自分でなんとかする文化もあります。日本では逆に「すぐに報告すること」が評価されるため、対応が遅れ大きなトラブルになることも。

日本語研修での対処法:
「報告しない方が怒られる」文化を明確に伝え、日々のロールプレイで報連相を習慣化。
例:「道具が壊れた」「人手が足りない」「材料が足りない」などの具体的報告文を練習。

指示待ち vs 自発的行動

ネパールでは、上司の指示を待ってから動くのが礼儀であり、自分から提案や行動をすると「生意気」と見られることもあります。一方、日本の現場では「自分で考えて動く」ことが高く評価されます。

研修での対処法:
「○○が終わったら、次に何をすべきか自分で考えてみよう」
「指示がない時こそ"聞く・動く"ことが評価される文化」を具体例で解説。

信頼されるためのビジネス日本語研修例

日本の建設現場では、ただ作業ができるだけでなく、信頼される行動が重視されます。そのため、当スクールの日本語研修では、言語の習得だけでなく、日本のビジネスマナーや文化理解も大切なカリキュラムに組み込んでいます。

「あいさつ」が信頼関係をつくる第一歩

日本では、朝、現場に入るときの「おはようございます」、作業終了後の「お疲れさまでした」などのあいさつがとても重要です。これらは単なる言葉ではなく、「私はここにいます」「あなたを尊重しています」という意思表示です。

ネパールでは、目上の人への敬意を示す文化がありますが、あいさつの習慣は日本ほど頻繁ではありません。そこで研修では、「毎日のあいさつ」が信頼を得るための基本であることを、日本語でのロールプレイを通じて練習します。

「5分前行動」が"できる人"としての信頼をつくる

日本の現場では、集合時間にぴったり来る=遅刻と見なされることがあります。ネパールでは「時間に対する感覚」は比較的おおらかで、「5分くらいなら許容される」と考える人が少なくありません。

このギャップが原因で「時間を守れない人」という印象を与えてしまうケースも。

そのため研修では、「なぜ日本では時間に厳しいのか?」というテーマでディスカッションを行います。

研修内容の例
  • 日本では"時間を守る=信頼を守る"という考えがある
  • たとえ10分の遅刻でも「この人に大事な仕事は任せられない」と思われることがある
  • 「5分前行動」は、日本人が安心して一緒に働けるための"合図"

この研修をおこなうことで早く行くのがマナーであることを学んでもらうことができます。

「整理整頓」は安全と信頼の証

建設現場での事故やトラブルの原因の多くは、「工具や資材の置き忘れ」「通路の障害物」などちょっとした気の緩みです。
日本では、「整理整頓」「清掃」も"仕事のうち"とされていますが、ネパールでは「作業以外のことは雑務」ととらえる傾向があります。

研修では、現場の写真や動画を使って、「道具の片づけが安全につながる」「きれいな現場ほど評価が高い」という**"見えないルール"**を説明します。
また、指差し確認や声かけの習慣も紹介し、チームとしての安全意識の向上を図ります。

「叱られる=嫌われている」は誤解であることを伝える

ネパールでは、上司や年長者から強く注意を受けることは"人格否定"に近く感じられることもあります。
そのため、現場で日本人リーダーに叱られると、強いストレスを感じたり、翌日から来なくなってしまったりするケースも少なくありません。

研修では、**「日本では、叱る=指導。あなたに期待しているからこそ言う」**という考え方を繰り返し伝えます。

研修例
  • 「叱ること」と「嫌うこと」はまったく別
  • 日本の現場では、注意される=信頼されている証拠でもある
  • わからない時・不安な時は、自分から相談することが大切

また、グループワークで「こんな時どうする?」というシチュエーションを出して、実際に自分の言葉で説明・相談する練習も行います。

豊富な実績とノウハウを持つ日本語オンラインスクールのご紹介

私たち日本語オンラインスクールでは、これまでに多数のネパール人社員への研修実績を持ち、企業様ごとのニーズに合わせた柔軟な研修カリキュラムをご提供しています。

また弊社の日本語講師はすべてビジネス経験を持つ日本語教育のプロフェッショナルになります。初級から中上級までの日本語力に対応し、ビジネスマナーを含めた実践的な研修が可能です。オンラインだからこそ、現地での研修やリモートワーク中の学習にも対応できます。

オンラインでどこからでも受講可能、安心のサポート体制

当スクールの研修はすべてオンラインで提供しており、ネパール国内はもちろん、世界中どこからでも受講が可能です。また、受講者が安心して学習を進められるよう、専任の講師による個別サポートや、学習進捗の管理、定期的なフィードバックなど、充実したサポート体制を整えています。

カスタマイズレッスンではケーススタディやロールプレイを取り入れた実践型の研修では、実際のビジネスシーンを想定しながら学習することができます。これにより、学んだ知識を即座に実践に活かすことが可能になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。当記事ではネパール人社員向けの日本語ビジネス研修の基礎について紹介していきました。もし研修導入にご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひ気軽にご相談をいただけますと幸いです。

関連記事

外国人社員向け日本語研修について

システム受託開発企業の外国人社員40名以上向け研修導入事例

TOPへ戻る