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外国人社員はなぜ敬語でつまずくのか“報連相”から変える企業研修
2025年12月11日 公開
外国人社員が職場でつまずきやすい領域として、最も多く挙げられるのが「敬語」です。
日本語の基礎ができていても、顧客対応・電話応対・社内報連相など、ビジネス現場になると急に言葉が出てこなくなる。
実はこの問題は「本人の努力不足」ではなく、敬語自体の構造や、日本の職場文化に理由があります。
本記事では企業が強化すべき敬語力と実践的な育成方法を解説します。
外国人労働者にとって「敬語」はなぜ難しいのか
敬語の種類と使い分けの複雑さ
尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類に加え、「場面」「目的」「関係性」で言葉を選び分ける必要があるため、外国人社員は“正解がひとつではない日本語”に戸惑います。
たとえば「伺います」「参ります」「行きます」の違いを説明するには、文法知識だけでは不十分です。職場で求められる敬語は、言語知識と状況判断をセットにして理解する必要があります。
文化背景の違いによる“距離感”のズレ
外国人社員が日本の職場文化を理解するには時間がかかります。
「上司には敬語」「同僚には丁寧語」「顧客には最敬語」という関係性ベースの言語運用は、母語にはない概念であることが多く、誤解が生まれやすい領域です。
職場の秩序や距離感を言語で表現する日本型コミュニケーションは、外国人社員の母国にはない価値観として、企業側が理解しておく必要があります。
正しい日本語よりも“空気を読む”難しさ
敬語教育で特に難しいとされるのが「空気を読むこと」です。
日本語では、文脈・相手の様子・その場の雰囲気によって表現が変わるため、教科書通りに話すだけでは“固い”“不自然”と判断されることがあります。
そのため、外国人社員の話す敬語は「正しいけれど自然ではない日本語」になりやすく、相手の反応によっては自信を失うことがあります。
職場で求められる「敬語力」とは何か
正しい言葉遣いだけでなく“対応力”を含む
敬語は、単なる語彙や文法ではなく「相手に配慮しながら伝える姿勢」を言語化したものです。
依頼・謝罪・調整・相談など、企業の業務はほとんどがコミュニケーションを基盤にしています。
そのため、外国人社員が敬語を身につけると、業務品質だけでなく、職場の関係性そのものが改善されます。
報告・連絡・相談に欠かせない言語スキル
報連相が正確になることで、業務ミスの防止や、生産性向上にも寄与します。
敬語が苦手な社員は「誤解されるのが怖い」「日本語の間違いを指摘されるのが恥ずかしい」という気持ちから報告をためらう傾向があり、これがトラブルの原因になるケースもあります。
適切な敬語を使えると、伝えるハードルが下がり、コミュニケーション量が増え、結果としてチームの連携が強化されます。
相手や状況に応じて言い換える応用力
接客対応やクレーム処理などでは「そのまま言うと失礼」「少し柔らかく言うべき」など、“言葉遣いの微調整”が求められます。
この応用力を磨くことで、外国人社員は顧客から「安心して任せられる」と評価されるようになります。
企業が敬語教育に投資する理由は、まさにこの“言葉遣いの微調整”にあります。
どうすれば外国人社員が敬語を使えるようになるのか
段階1:状況別フレーズの習得
最も効果的なステップは「使う場面から覚える」方法です。
「この場面で何を言うか」を反復練習すると定着もはやくなり、実務への橋渡しがスムーズになります。
挨拶・電話対応・来客応対・メール・報連相などの基本的な業務ができるようになれば、他の業務にも応用できます。
そのため、まずは、企業側が「現場で実際に使われているフレーズ」を場面ごとにいくつかピックアップし、外国人社員はそれを覚えるところから始めると効果的でしょう。
段階2:ロールプレイによる実践練習
ロールプレイは、「覚えた敬語を使える敬語に変える」重要なステップです。
実際の会話のようにアウトプットするため、“敬語の瞬発力”が鍛えられ、上司役・顧客役・同僚役など複数の立場を経験することで「相手からどのように聞こえるか」を理解しやすくなります。
企業によっては、実際のトラブル事例やクレーム応対の過去ログを教材として活用し、より現実的な場面での訓練を行うケースもあります。
段階3:実際の現場フィードバック
現場でのメール添削や、上司からのフィードバックが加わると、敬語の精度が一段と上がります。
実務で使った表現を振り返る機会が増えると、外国人社員は「どの表現が適切だったか」を具体的に理解できるため、次の会話に活かしやすくなります。
また、現場で上手に敬語が使えた瞬間は、本人の大きな成功体験となり、自信を持って日本語を使えるようになります。習得には継続が欠かせませんが、こうした成功体験が積み重なると学習意欲も自然と高まります。
オンラインレッスンを活用した敬語教育
時間・場所を問わず継続できる学習環境
オンライン研修なら、勤務形態に関係なく継続的な学習が可能になります。
特に、製造業・物流業・介護施設など、シフト勤務が中心の職場では、決まった時間帯に研修を実施することが難しいケースが多く見られます。
オンラインなら、各自の業務に支障が出ない範囲で受講ができ、欠席や遅刻による機会損失も減らせます。
個々の課題に合わせた指導と評価
外国人社員には、日本語の背景や職務内容が異なるため、個別カリキュラムが効果的です。
たとえば、接客の多い部署では対人会話中心のカリキュラムを組み、事務職にはメール・電話の表現を強化するなど、職種ごとに必要な敬語は変わります。
オンラインレッスンでは、講師が学習者の癖や弱点を把握し、その場で修正しながら練習を進めるため、“現場に直結した学び”が提供できます。
研修効果の見える化と人材育成への応用
オンライン学習は履歴が残るため、企業は成長度を定量的に把握できます。
受講時間、理解度、課題点、改善状況などを記録することで、研修担当者は成果を客観的に確認できます。
さらに、人事評価や昇格基準に組み込むことで、研修が「継続される仕組み」として機能し、学習が習慣化されます。
まとめ:敬語での会話は“実践あるのみ”
正しい敬語でコミュニケーション品質の向上を
敬語は実践の量で伸びます。
座学だけで身につくものではなく、実務と学習を循環させることで、職場で求められる日本語力がつきます。
特に「聞く(インプット)→ 話す(アウトプット)」の繰り返しは、外国人社員の学習効率を高める重要なプロセスです。
また、外国人社員への敬語教育は、日本人社員にとっても自身の言葉遣いを見直す良い機会となり、組織全体のコミュニケーション品質を高めるきっかけになります。
外国人社員への敬語教育は、多文化チームの協働を促進し、企業の信頼基盤の強化にもつながるのです。
オンラインで企業・社員に合った日本語研修を
外国人社員にはオンライン研修を取り入れることで、企業は継続的な教育体制を整えられます。
敬語を中心にしたコミュニケーション力の向上は、顧客満足度や組織力の向上にも直結します。
当スクールの受講生の方は、JLPT受験前に当スクール負担でオンラインハーフ模試を受講いただけます。また、受講前後での実際の日本語会話レベルのチェックや月次レポートも行っています。講師とレベルやウィークポイントのチェックが可能ですので、効率的に学習を進められます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
