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JLPTとNAT-TESTの違い — 採用前と後で使い分けるコツ

2025年11月19日 公開

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外国籍社員の採用や育成において、「日本語力の客観的な測定」は欠かせません。

中でも活用しやすいのが、日本語能力試験(JLPT)と日本語NAT-TESTです。どちらも同じ5段階のレベル区分を採用していますが、試験の目的や活用場面には明確な違いがあります。

本記事では、両試験の特徴を比較しながら、採用段階・研修段階での効果的な使い分け方を解説します。

JLPTとNAT-TESTの違いって?

JLPTは「知識重視」の国際基準試験

JLPT(Japanese-Language Proficiency Test)は、日本語の知識を国際的な基準で測定する試験です。

主催は「国際交流基金」と「日本国際教育支援協会」で、世界90か国以上で実施され、受験者数は年間約100万人に上ります。

読解・聴解・文法・語彙の知識を中心に、どれだけ日本語を理解できるかを確認するのが目的です。

そのため、大学進学・就職・在留資格など、公的な場面で通用する国際資格として認知されています。

特に日本国内では、「N2以上」を採用基準にする企業が多く、応募者の日本語力を一目で判断できる指標として広く利用されています。

NAT-TESTは「運用重視」の国内評価試験

一方のNAT-TEST(Japanese NAT-TEST)は、JLPTを参考に開発された試験ですが、より実践的な日本語運用力の確認に焦点を当てています。

出題は短文中心で、日常会話や職場のやり取りをイメージした問題が多く、知識よりも「使える日本語」の確認が目的です。

また、年6回実施されるため、JLPTよりも受験のチャンスが多く、結果通知も3週間前後と迅速です。

採用後の日本語教育や研修効果測定など、「定点観測」に向いた試験として企業現場で重宝されています。

比較表でわかる両試験の主要な違い

項目 JLPT NAT-TEST
主催 国際交流基金/日本国際教育支援協会 日本語NAT-TEST実行委員会
実施回数 年2回(7月・12月) 年6回(奇数月)
測定内容 読解・聴解など知識中心 実践的な日本語運用力
試験形式 全世界共通の統一問題 JLPT準拠+実践型設問
結果通知 約2か月後 約3週間後
主な活用場面 採用・留学・在留資格 研修・評価・育成

JLPT(日本語能力試験)の特徴と目的

試験の概要と対象者

JLPTは、日本語を母語としない人の日本語理解力を国際的に評価する試験です。

N1〜N5の5段階があり、N1が最上級、N5が初級レベルです。

留学生やビジネスパーソン、技能実習生など幅広い層が受験しており、合格証は国際的に通用する「日本語力の証明書」として扱われます。

特に大学進学や企業採用では、「N2以上」が応募条件とされるケースが多く、外国籍人材の採用時に最も信頼される基準と言えます。

測定される能力と出題構成

JLPTは以下の3区分で構成されます。

  • 言語知識(文字・語彙・文法)
  • 読解
  • 聴解

筆記式でスピーキング・ライティングはありません。

問題は知識をベースに、「正しい理解と適切な判断ができるか」を確認する設計です。

N2以上ではビジネス・ニュースレベルの語彙が多く出題され、論理的な文章理解が問われます。

合格レベルとCEFR対応

JLPTは国際的な言語指標「CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)」にも対応しています。

JLPTレベル CEFR対応 目安
N1 B2~C1 専門分野も理解できる上級
N2 B1上位~B2 ビジネス・日常両対応
N3 A2~B1 一般的な場面で理解可能
N4 A2 基礎的な日常会話が可能
N5 A1 ごく基本的な表現を理解

このCEFR対応により、海外企業や教育機関でも国際共通言語の指標として比較しやすい点が評価されています。

NAT-TEST(日本語NAT-TEST)の特徴と目的

試験の概要と対象者

NAT-TESTは、JLPTの出題形式に基づきつつ、より柔軟に運用できる国内評価型試験として誕生しました。

対象は、留学生・技能実習生・外国籍社員など、日本で生活・就労している人が中心です。

学習効果を短期間で確認できる点から、語学学校や企業研修でも導入が進んでいます。

測定される能力と試験構成

試験構成はJLPTと同じ3区分(言語知識・読解・聴解)ですが、出題傾向がやや異なります。

NAT-TESTは実用性を重視しており、指示・依頼・報告など実務に直結する日本語が多く含まれます。

そのため、受験者の実際のコミュニケーション力を把握しやすいのが特徴です。

実施回数と結果通知のスピード

NAT-TESTは年6回実施され、全国主要都市および海外拠点でも受験可能です。

結果は約3週間で通知され、合否だけでなく分野別スコアも確認できるので、企業側にとっては、短期間でフィードバックが得られることが大きな利点です。

採用直後の日本語力チェックや、研修後の効果測定などに柔軟に活用できます。

JLPTとNAT-TESTの違いを目的別に使い分ける

採用前は「JLPT」で現状把握

採用前の段階では、JLPTのスコアが有効です。

国際的な認知度が高く、応募者の日本語レベルを客観的に比較できます。

たとえば履歴書に「N2合格」と記載されていれば、会話や報告・相談レベルの日本語理解があると判断可能です。

面接官が全員日本語教育の専門家でなくても、JLPTスコアを指標にすればスクリーニングが容易になります。

採用後は「NAT-TEST」で評価&管理

入社後は、現場での日本語運用力を把握することが重要です。

NAT-TESTは年6回の実施で、成長を定期的にモニタリングできるのが最大の強みです。

たとえば入社時・半年後・1年後に受験を設定すれば、研修成果や定着度を数値で可視化できます。

また、短文理解や指示の聞き取りなど、現場で求められるスキルを測定できる点でも実務に直結します。

併用で見える「学習成果と実務力」

JLPTで「知識レベル」、NAT-TESTで「運用レベル」を測定すれば、社員の日本語力を立体的に把握できます。

たとえば、JLPTでN3レベルの社員がNAT-TESTで高スコアを取る場合、実務ではより高い運用力を発揮していると判断できます。

このような併用は、研修効果を可視化し、教育投資の成果を明確に示すうえでも有効です。

企業が試験を活用する際のポイント

目的を明確にして評価基準を統一する

まず、「採用」「育成」「昇進」など、試験の目的を明確にしましょう。

目的が曖昧なまま試験を導入すると、評価がブレてしまいます。

たとえば採用ではJLPTスコア、育成段階ではNAT-TESTスコアを利用するなど、社内で共通の基準を設定することが重要です。

結果を研修や昇進制度に反映する

試験結果を研修プログラムや人事評価に反映することで、社員のモチベーションを高められます。

「N2レベル以上で顧客対応可」「N1レベルでリーダー候補」といった基準を設けると、社員自身が目標を持って学習できるようになります。

社内研修と連動させて継続的に測定する

日本語力は一度身につけても、使わなければ衰えます。

定期的にNAT-TESTを受験し、スコアの推移を管理すれば、研修成果の維持・改善が可能です。

また、社内講師や外部スクールと連携し、試験結果をフィードバックする仕組みを整えると、教育効果をさらに高められます。

日本語オンラインスクールでは、企業様のニーズや受講生の方に合わせたJLPT対策をレッスンに組み込むなど柔軟に対応しています。

まとめ:JLPTとNAT-TESTの特徴に合わせて活用する

JLPTは「国際的な知識評価」、NAT-TESTは「実務的な運用評価」です。

採用前はJLPTで基礎力を把握し、採用後はNAT-TESTで成長を追うことで、社員の日本語力を多面的に評価できる体制が整います。

両試験を使い分けることで、採用のミスマッチを防ぎ、研修効果を最大化することができます。

目的に応じてJLPTとNAT-TESTを上手に活用し、言葉の壁を越えて活躍できるチームづくりを目指しましょう。

当スクールの受講生の方は、JLPT受験前に当スクール負担でオンラインハーフ模試を受講いただけます。また、受講前後での実際の日本語会話レベルのチェックや月次レポートも行っています。講師とレベルやウィークポイントのチェックが可能ですので、効率的に学習を進められます。

まずはお気軽にお問い合わせください。

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