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外国人電気電子設計者の育成に必要な日本語教育とは

2025年12月16日 公開

少子高齢化とデジタル技術の急速な進化により、日本の電気・電子機器業界ではエンジニア不足が続いています。IoT、AI、EV(電気自動車)などの技術革新に伴い、回路設計や組み込みシステム開発の需要は高まる一方で、国内の人材供給が追いついていないのが現状です。

その解決策として、近年では「技術・人文知識・国際業務」ビザを活用し、アジア圏を中心とした海外の工科大学出身者や、実務経験豊富な外国人エンジニアを採用する企業が急増しています。彼らは最新の技術トレンドに明るく、日本のモノづくりを支える次世代のコア人材として期待が高まっています。

しかし、実際の開発現場では「日本語の壁」が大きな障壁となっています。回路図記号やプログラミング言語は万国共通でも、「なぜその定数を選定したのか」「どのようなノイズ対策を意図しているのか」といった設計思想を日本語で共有できず、重大な手戻りや品質問題につながるケースが少なくありません。

また、開発サイクルの速い電気電子業界では、仕様変更やトラブルシューティングのスピードが求められますが、報告・連絡・相談の遅れが致命的な納期遅延を招くこともあります。今後、外国人電気電子エンジニアを単なる作業者ではなく“設計開発のパートナー”として育成するためには、技術教育と並行して、計画的に日本語教育を取り入れることが不可欠です。

電気電子設計エンジニアに求められる日本語力とは

電気電子設計エンジニアが日本で働く上で求められる日本語力は、日常会話レベルとは質が異なります。特に「電気」という目に見えない現象を扱うため、論理的かつ正確な言語化能力が求められます。

  • 仕様書・データシートの読解力

部品のデータシート(仕様書)や顧客からの要求仕様を正確に読み解く力です。特に「定格電圧」「許容差」「動作温度範囲」などの数値条件に加え、「推奨」「準拠」「参考」といった日本語のニュアンスの違いが、製品の安全性や信頼性に直結します。

  • トラブル発生時の状況説明力(ホウレンソウ)

回路の不具合やバグが発生した際、「どんな条件下で」「どのような現象が起きたか」を時系列で論理的に説明する力が不可欠です。 「なんとなくおかしいです」ではなく、「特定の電圧入力時に、波形に乱れが生じます」のように、具体的に伝える能力が求められます。

  • 設計レビュー(DR)での質疑応答力

回路図や基板パターンのレビュー時に、上司や他部署(機構設計やソフト設計など)からの指摘を理解し、自分の設計意図を正当に主張、あるいは修正案を提示する交渉力が求められます。

よくある課題と現場の声

電気電子設計の業務は、専門知識に加えて「仕様調整」「安全説明」「不具合共有」など、細かい日本語コミュニケーションが必須です。現場からは、次のような課題が多く報告されています。

◆ 仕様変更の意図が正しく伝わらない

電気回路・制御仕様の変更は、言葉のわずかな違いで大きく意味が変わります。

例:

・「電流を少し下げて」と言ったが具体値が伝わらず、想定以上に変更されてしまった

・「許容値ギリギリ」という表現が曖昧で、誤った判断につながった

電気設計特有の抽象表現が誤解されやすい点が課題です。

◆ 日本語での不具合説明が難しい

不具合報告書(トラブルシュート)は専門語彙が多く、外国人にとってハードルが高い。

現場の声:

・「症状の説明が抽象的で原因特定に時間がかかった」

・ 「再現条件を日本語で正確に伝えられず、誤った対策が取られた」

◆ 安全関連の日本語理解が不十分

電気・電子分野は安全規格の理解が不可欠。

・「漏電」「絶縁」「遮断」などの専門語が理解されず危険が増す

・ 作業指示の“禁止・注意”ニュアンスが伝わらない

外国人電気電子設計者の育成に必要な日本語教育とは

一般的な日本語教材で学ぶ「観光」や「生活」のフレーズは、開発現場ではほとんど役に立ちません。 現場では、次のような「技術的な折衝」や「リスク管理」に関わる表現が頻出します。

  • 「このICは廃番のリスクがあるため、代替品も検討しておくべきです。」
  • 「現在、ノイズの影響を調査中ですが、原因の特定には至っていません。」
  • 「仕様変更に伴い、基板のサイズアップをお願いできますか?」

これらは文法の正しさ以上に、「相手への配慮(クッション言葉)」や「リスクの共有(断定を避ける表現)」など、日本のエンジニア文化を理解して初めて使いこなせるものです。

日本語力の基礎レベルを上げることから

入社時にN4〜N3レベルの場合、まずはN3(日常的な職場の会話)の定着を目指し、次にN2(幅広い場面での論理的な説明)へ引き上げる段階的な研修が必要です。 特に電気設計職では、他部署(メカ、ソフト、製造)との連携が必須であるため、N3レベル以上でないと「言われたことしかできない」状態から抜け出せません。 N3レベルでは、基本的な会議理解や報告書作成が可能になります。

N2レベルに到達し、技術用語とビジネス表現を組み合わせられるようになれば、自ら仕様提案を行い、若手の日本人社員をリードする存在へと成長することも期待できます。

電気電子設計者に求められる主要資格の概要

外国人電気電子設計者が日本企業で長期的に活躍し、専門性を高めながらキャリアアップを実現するためには、関連資格の取得が大きな強みとなります。特に 「電気主任技術者(第三種)」 をはじめとする電気系国家資格や、電気・電子設計に関わる専門資格は、企業側が技術者の基礎力・安全意識・法令理解を評価する際の重要な指標です。

これらの資格は、回路設計や設備設計といった技術力だけでなく、電気設備の安全管理、品質確保、現場での責任ある判断ができることの証明にもなります。

◆ 電気主任技術者(第三種)

電気設備に関する専門知識を認定する国家資格で、電気電子設計者のスキル証明として高く評価されます。

メリット:

  • 電気安全・法規の深い理解が身に付く
  • 認定者が在籍することで企業の信頼性向上
  • 設計・保守双方に強くなり、キャリアの幅が広がる

<外国人にとっての壁:日本語の読解、技術用語の理解>

電気電子設計分野の資格試験や技術評価においても、専門性の高い日本語表現と技術用語の理解が、外国人技術者にとって大きな壁となります。試験問題は電気理論・法規・安全に関する内容が多く、単なる単語理解だけでなく、日本語特有の文脈読解力が求められます。

出題例:

  • 「三相交流回路の説明として不適切なものはどれか。」
  • 「電気設備技術基準に照らして最も適切な対策はどれか。」

このような「不適切」「適切」「最も〜」「〜に照らして」といった表現は、日本語学習者にとって判断が難しく、設問の意図を正確に読み取れないと正解にたどり着けません。

また、以下のような電気電子特有の専門用語は、技術知識と日本語読解力の両方が必要になります。

  • 「インピーダンス」
  • 「短絡電流」
  • 「絶縁抵抗」
  • 「接地(アース)」
  • 「漏電」
  • 「過電流保護」
  • 「電圧降下」

これらの用語は現場実務でも頻出するため、試験対策だけでなく、日本企業で安全かつ円滑に業務を行ううえでも理解が不可欠です。そのため、資格学習と並行して、電気分野に特化した日本語学習を行うことが、外国人電気電子設計者にとって重要な成功要因となります。

◆ JLPTだけではカバーしきれない「技術語彙」

電気電子分野では、「突入電流」「チャタリング」「インピーダンス整合」「熱暴走」といった専門用語が日常的に飛び交います。これらはJLPTには出てきませんが、知らないと会議の内容が全く理解できません。 そのため、一般的な日本語教育とは別に、「電気・電子分野に特化した語彙リスト」や「データシート読解トレーニング」を取り入れた教育支援が不可欠です。

現場で使える おすすめ日本語教材紹介(実務・語彙)

実際に仕事の現場で使える日本語の研修には、信頼できる教材の活用が欠かせません。以下に、製造・開発現場で役立つ実践的な教材をご紹介します。

■ 「ゲンバの日本語(製造業で働く外国人向け)」

  • 内容: 製造業の現場で頻出する単語やフレーズを中心に構成されています。安全確認、作業手順の理解、不具合報告など、開発現場でも共通して必要なコミュニケーション能力を効率よく向上させることができます。
  • 本冊URL: https://www.3anet.co.jp/np/books/4232/
  • 単語帳URL: https://www.3anet.co.jp/np/books/4234/

この教材は、多くのメーカーで導入されており、非ネイティブにも分かりやすい構成が高く評価されています。基礎的な「現場の言葉」を学ぶための入り口として最適です。

豊富な実績とノウハウを持つ日本語オンラインスクールのご紹介

日本語オンラインスクールでは、これまでに多数の外国人エンジニア(電気・電子・機械・IT)向けに日本語オンライン研修を実施してきました。

電気電子設計の現場では、専門用語の理解だけでなく、「曖昧な指示の確認」や「トラブル時の迅速な報告」など、高度なコミュニケーションスキルが求められます。 当スクールでは、企業様ごとの開発環境や対象社員のレベルに合わせ、柔軟にカリキュラムをカスタマイズいたします。

  • 特徴1:ビジネス経験豊富なプロ講師陣

    技術会話特有の言い回しや、日本の職場でのビジネスマナー、報連相のトレーニングを実践的に行います。

  • 特徴2:オンライン完結で国内外から受講可能

    海外拠点の内定者研修や、多忙な現場エンジニアのスキマ時間活用にも最適です。

  • 特徴3:手厚い学習サポート

    専任講師による個別フィードバックや進捗共有により、受講者のモチベーション維持と確実な成長を支援します。

「技術力はあるのに、言葉の壁でパフォーマンスが上がらない」 「現場とのコミュニケーションミスを減らしたい」 このようにお考えの企業様は、ぜひ一度、私たち日本語オンラインスクールにご相談ください。 貴社の外国人電気電子設計者が、「即戦力」として活躍できるよう、最適な日本語研修プランをご提案いたします。

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