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「特定技能」と「技能実習」は何が違うの?
2022年10月24日 公開
外国人従業員を雇用する際に、「特定技能」と「技能実習」どちらを活用した方が良いのか、そもそも違いが分からないなどのお悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。
ここでは「特定技能」と「技能実習」の基本や違いについて紹介していきます。
特定技能とは?
特定技能とは、日本社会で特定産業分野(14業種)において、外国人労働者を受け入れるための在留資格です。
日本では、深刻な人手不足の影響により人材確保が急務となっています。特定技能は特に労働力が不足している「介護」「農業」「漁業」「外食業」など幅広い分野を設定しています。
現在、特定技能には1号・2号の2種類しかなく、2号は「建設」と「造船・船用工業」のみですが、他分野の追加も検討されています。
特定技能1号 |
特定技能2号 |
|
在留期間 |
4か月・6か月・1年ごとの更新 |
6か月・1年・3年ごとの更新 |
技能水準 |
相当程度の知識または経験を必要とする技能 |
熟練した技能 |
外国人支援 |
必須 |
支援計画の策定実施は不要 |
家族の帯同 |
不可 |
条件を満たすと可能 |
日本語能力水準試験 |
有り |
無し |
試験の実施状況 |
国内外で実施 |
2022年に新設予定 |
在留資格には他にも就労可能なものがありますが、特定技能との違いとして単純労働を含む業務が可能な点です。例えば、日本で自動車メーカーやディーラーで整備士として働きたい場合、2級自動車整備士や1級自動車整備士といった資格が必要となり、日本の専門学校で学び、国家試験に合格しなければならないなど時間やお金がかかります。
その一方、特定技能の場合は、自動車整備に関する特定の試験を受け合格すると、自動車整備工場などにおける日常点検整備や分解整備といった作業を行うことができます。そのため、採用側や就労を希望する側にとってもメリットが大きい資格と言えるでしょう。
ご存知の方も多いかもしれませんが、特定2号の資格はハードルが高く、2022年4月に全国で初めて中国籍の男性が建設分野の特定2号に認定されました。
この男性は、技能検定1級の取得や建設キャリアアップシステムのシルバー判定取得、現場の責任者を務めていたなど幅広い活躍と努力が実を結んだものです。
(参考資料)https://www.asahi.com/articles/ASQ555F5SQ4MOHGB00F.html
技能実習とは?
技能実習とは、開発途上国出身の方に、日本の技術や現場での実習を通じて、さまざまなことを習得してもらい、帰国後はその技術を母国で広めるという「国際貢献」を目的としているものです。
特定技能は日本国内の労働力不足の解決のため、技能実習は国際貢献のためと、制度の目的はかなり異なっています。
また技能実習生は最長5年で母国へ帰る必要がありますが、条件を満たすことによって技能実習から特定技能1号に移行することができます。移行の条件は以下の通りです。
・技能実習2号を良好に修了していること
・技能実習の職種や作業内容と特定技能1号の業務内容に関連性があること
このように在留資格の条件を理解することによって、採用側と雇用、双方の希望を引き出すことも可能です。
次に「特定技能」と「技能実習」の違いについて見てみましょう。
技能実習生 |
特定技能 |
|
1993年 |
施行 |
2019年 |
85職種 |
職種 |
14職種 |
技能実習1号:1年以内 |
最長勤務年数 |
1号:通算5年 |
原則不可 |
転職 |
転職可能 |
不可 |
家族帯同 |
1号:不可 |
開発途上国への国際協力 |
目的 |
人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、 |
外国人労働者にとって、家族帯同かどうかは日本で長く働くかどうか決める上で重要なポイントです。技能実習は家族帯同が認められていないため、特定技能に魅力を感じる外国人も多いでしょう。
まとめ
特定技能と技能実習制度の基本や違いについてふれました。制度の目的が違うため、制度の違いについても理解できたかと思います。どちらの資格にもメリット・デメリットが存在しますが、外国人を雇用する場合、該当の業務があるかきちんと把握することが大切です。
また技能実習の場合は、特に業務が細かく分かれているため、ちょっとした作業をお願いしたつもりでも、その業務の範囲を超えることはできません。そのため幅広く業務をお願いしたい場合は、特定技能での採用も視野に入れておくと良いでしょう。