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IT企業で働くネパール人の日本語オンラインレッスン

2022年8月15日 公開

今回、IT企業で働くネパール人スタッフに「クライアントと商談ができるレベルにしたい、さらなるIT知識の習得」を目標として日本語オンラインレッスンの依頼がありました。

私もIT関連の資格を持っているため少しは理解できるのですが、使用するプログラミング言語は多岐にわたり、常に学習、知識のアップデートが必要な分野であると感じています。今回の目標達成に向けてどのような点に気をつけレッスンを行ったのかをまとめましたので、少しでも参考になればと思います。

レッスンを受ける前のレベルは?

もともとこのネパール人スタッフはIT系の大学院を卒業し、すでにN2も取得していました。しかし在学中は全て英語でやり取りをしていたということもあり、すっかり日本語を忘れている状態からのスタートでした。

そのため「クライアントとの商談、IT知識の習得」以前に日本語を思い出すことが先で、その後に、日本語×IT専門用語を取り扱ったテキストをベースに会話中心で練習する必要があると考えました。

また漢字に苦手意識があり、基本的に読めない漢字が多くあったことが印象的でした。

レッスン内容

まず商談ができるレベルに到達するまでの前段階として、語彙や文法を増やすためN4レベルのテキストを使って会話練習を徹底的に行いました。会話の基礎となるもの、もちろん初めはテキストベースで行いますが、最終的には自身のこと、それに関連する身の回りや仕事の内容について話さなけれななりません。

テキストを見ながら話すことは、慣れるとそこまで大変なことではありませんが、自身のことを話す、自分のものにするとなると難しさが一歩増します。これは他言語を学んだ方なら誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。

彼の場合は、この段階で新しく習得した文型や語彙を使わずに今まで使用していた簡単な文法に置き換えて話してしまうことが多くありました。そのため、習得した文型で答えられるような質問をこちらから何度も投げかけ、それに付随して自分が話したい内容を整理し、肉付けして話すことを何度となく行いました。

ある程度定着したら、専門用語やその分野で必要とされる説明、会話の流れをつかむ、断る、お伺いをたてるなどの練習をロールプレイで行い、想定される場面と照らし合わせて練習します。常に実践に近い形で行いたいと考えているため、受講者とも場面について話し合いながらレッスンを進めて行きます。

はじめは、こちらのアシストを必要とする場面もありましたが、話すことが好きな性格、積極的に受講する姿勢があったため目に見えるスピードで成長していったことを覚えています。

また非漢字圏である場合、漢字に苦手意識を持っていることも多いです。彼も同様で漢字を見るとあからさまに嫌な顔をしていました。私としては覚えてもらわないと困ると思っていましたが、本人が嫌なものを無理に進めても習得が進まないと考えていたので、本人とどのように漢字を覚えるのが良いか話し合いました。

彼はゲーム感覚でできることが良いと言っていたので、フラッシュカードを作って読む練習(スコアを毎回出す)や漢字と読み仮名を線で結ぶ、絵で表現できるものは絵と漢字のペアを合わせる、覚えたい漢字を使った一問一答など行い漢字の習得に努めました。

時にはなかなか覚えられなかった漢字が、家の近くのスーパーに使われている漢字だと分かり、それからは一度も忘れたことがないと言われ、大爆笑したこともありました。

もちろん達成する目標があるので、常に真面目にレッスンに取り組んでいますが、1レッスン1笑いを心がけて、次のレッスンもまた受けたいと思ってもらえるようにしたいと考えています。

レッスンを終えて

今回も日本語を受講中に担当者様がよく気にかけてくださり、また本人のモチベーションを最後まで維持しながら終えることができました。目標としていたさらなるIT知識の習得ができたこと、受講の途中からプロジェクトのミーティングが始まり、本人が以前にも増し責任感を持って商談に取り組めたことも大きかったのではないのでしょうか。

日本語教師として、限られた受講数で目標達成できるのか、また目標に近づくために最短ルートは何かを常に考えて取り組んでいます。もちろんそれは、教師だけではなく受講しているご本人、企業様のご協力があって達成できるものです。

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