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日本語能力試験N2に合格するには?レベルや対策を解説!
2025年10月13日 公開

日本語能力試験(JLPT)N2は、日本語学習者にとって大きな壁とされるレベルです。日常生活だけでなく、新聞やニュース、ビジネスの場でも通用する日本語力が求められます。
合格できれば、日本の大学進学や就職活動で大きな強みとなり、学習者自身の自信にもつながります。
企業においても、外国人社員がN2レベルの日本語力を身につけることで、上司・同僚との円滑なコミュニケーションや業務理解が深まり、生産性向上やチーム連携の強化につながります。
採用後の育成計画や日本語研修を設計するうえでも、N2は一つの重要な指標となるレベルです。
本記事では、N2の合格点や試験内容、必要な能力と効果的な学習法を整理し、社員研修や自己学習の双方で効率よく合格を目指すためのポイントを解説します。
日本語能力試験(JLPT)N2とは?
日本語能力試験N2は、日本語で新聞やニュース、ビジネス文書などを理解できるかを測る中上級レベルの試験です。
日常生活に加え、ある程度の専門的な話題にも対応できる力が求められます。合格すれば日本の大学進学や就職活動でも高く評価され、日本で生活する上で大きな自信になります。
N2の試験とは?
N2試験は以下の2つのセクションで構成されています。N3に比べてより多くの文字や語彙、文法の運用力に加えて、長文を読み解く速さや聞き取りの正確さが試されます。
試験項目
試験項目は以下の2つです。
- 言語知識(文字・語彙・文法)と読解
- 聴解
詳しく解説します。
言語知識(文字・語彙・文法)と読解
文法に書き言葉が多くなったり、語彙や読解文に漢字が増え、より硬い表現が増えるのがN2です。
| 文字・語彙 | 約1000字以上の常用漢字や約6000語の語彙を理解し、正しく使えるかどうかが問われます。新聞や雑誌に出てくる抽象的な言葉や熟語も出題されます。 |
| 文法 | 日常会話だけでなく、書き言葉寄りの表現も多く出題されます。「〜ざるを得ない」「〜にすぎない」など高度な文型を使いこなせることが重要です。 |
| 読解 | 長文の文章を読み取り、要点を素早くつかむ力が求められます。評論文や説明文など論理的な文章を正確に理解し、設問に対応できる力が必要です。 |
聴解
日常会話に加え、ビジネスシーンや講義のようなフォーマルな場面の音声が出題されます。話者の意図や状況を正確に理解し、要点を押さえられるかがカギです。スピードも自然に近いため、聞き取る力と同時に情報を整理する力が求められます。
試験時間
- 言語知識・読解:105分
- 聴解:50分
試験時間は合計で約2時間半にわたるので、集中力が必要です。
合格点
総合点180点中90点且つ、各区分(言語知識/読解/聴解)の得点が設定されている基準点(19点)に達している必要があります。
実際のN2レベルの会話力とは?
こちらは、実際に当スクールで受講されているN2レベルの会話力の方のレッスンの様子となります。実際のN2レベルの生徒の会話例をこちらの動画でご覧ください。
JLPT各レベルと学習時間の目安
日本語能力試験(JLPT)は、N5(初級)からN1(最上級)までの5段階に分かれています。
企業で外国人社員の日本語研修を実施する際には、どのレベルを目標にするかによって、必要な学習時間や研修期間が大きく変わります。
以下は、N2を含む各レベルに到達するまでの一般的な学習時間の目安と、1日1時間の学習を継続した場合のおおよその期間です。
研修計画や人材育成のスケジュール設計にご活用ください。
| レベル | 累計学習時間(初心者から) | 前レベルからの追加学習時間 | 1日1時間学習した場合の目安期間 | 職場で想定される日本語運用レベル |
|---|---|---|---|---|
| N5 | 約150〜300時間 | — | 約5〜10ヶ月 | 簡単な挨拶・自己紹介・日常会話が可能 |
| N4 | 約300〜400時間 | 約150〜250時間 | 約5〜8ヶ月 | 簡単な指示理解、基本的な会話が可能 |
| N3 | 約450〜600時間 | 約150〜200時間 | 約5〜7ヶ月 | 職場での簡単なコミュニケーションが可能 |
| N2 | 約600〜800時間 | 約300〜400時間 | 約10〜13ヶ月 | 業務指示・報連相・文書理解が可能(実務対応レベル) |
| N1 | 約900〜1200時間 | 約300〜400時間 | 約1年3ヶ月〜1年8ヶ月 | 専門職レベル。日本人同等に議論・報告が可能 |
※一部参考:日本語能力試験
N2合格にマストな能力と対策
語彙
漢字の語彙が増えるので、読み方、意味、使い方を覚える必要があります。
身の回りだけでなく、社会と関わる上で使う語彙も増えるので、覚えておくと後々役に立ちます。
| 必要な能力 | 対策 |
| 約6000語の語彙力を身につけ、抽象的な表現も理解できる | ・単語帳で覚えるだけでなく、実際の文章の中で用法を確認する ・例文を音読しながら覚える ・関連語や類義語をまとめて覚える |
文法
N3に比べて、より硬い書き言葉の文型が増えます。日常的に使うものとそうでないものの違いを覚えておくといいでしょう。
| 必要な能力 | 対策 |
| 高度な文法表現を正しく理解し、文章や会話で使いこなす | ・似た文法の違いを整理し、使い分けを練習する
・漢字を使った文型が多くなるので、文型に出てくる漢字も一緒に覚える |
読解
接続詞や接頭語など、文の流れに関わる語を素早く見つけ、文の大まかな内容を理解する練習が効果的。文の全てを理解しようとしないことがポイントです。
| 必要な能力 | 対策 |
| 長文を速く正確に読み、段落ごとの論理展開を把握する | ・中心文を見つけ、段落ごとに要点をまとめる練習をする ・設問形式(要約・内容一致)に慣れる ・制限時間を意識して速読練習をする |
聴解
日本人が日常的に話すくらいのスピードの音声に慣れる必要があります。色々な教材に手を出すのではなく、1つの教材を覚えるくらい聞くと耳が慣れてくるでしょう。
| 必要な能力 | 対策 |
| 速い会話や講義など自然なスピードで、少し複雑な音声を聞き取り、要点を理解する | ・ニュースやラジオを毎日聞く ・スクリプト付き教材で『聞く+確認』を繰り返す ・要点をメモする習慣を持つ |
N2対策におすすめの教材
N2対策におすすめの教材は以下の3つです。
- 公式問題集
- 新完全マスターシリーズ
- スピードマスターシリーズ
詳しく解説します。
| 教材名 | 価格/出版社 | 特徴 |
| 公式問題集 | ¥700(税抜)/凡人社 | 本番の試験と同じ形式で練習できる教材。実際の問題傾向や時間配分を体感できるので、模擬試験として本番前に活用するのも効果的。 |
| 新完全マスター | 語彙、文法各¥1,320(税込)、漢字、読解¥1,540(税込)、聴解¥1,760(税込)/スリーエーネットワーク | 分野別に体系的に学べる定番教材。各区分の整理に最適。演習量が多く、最後に模擬試験がついているので、力試しができる。 |
| スピードマスターシリーズ | 読解、文法、語彙、漢字、各¥1,320(税込)、聴解¥1,540(税込)/Jリサーチ出版 | 5つの分野に分かれたテキストで自分の苦手な箇所を重点的に鍛えることができる。特に文法、語彙、漢字はテーマごとにユニットがわかれており、ユニットごとに実践問題やドリル問題があるので試験直前の確認・総仕上げにも効果的。 |
効果的なN2勉強法
本章ではN2の効果的な勉強法を3つご紹介します。
- 頻出語彙や文法をマスターする
- 短時間でも毎日学習を継続する
- オンラインレッスンを活用する
詳しく解説します。
頻出語彙や文法をマスターする
公式問題集や演習テキストでの練習を重ねると、頻出する語彙や表現があることに気づきます。出題率の高い文法や語彙を優先的に復習し、例文を自分の言葉で書き換えて理解を深めましょう。
短時間でも毎日学習を継続する
1日10分の音読やリスニングでも積み重ねが大切です。特に社会人や留学生はまとまった勉強時間がとれないことも多いため、スキマ時間を活用して習慣化すると継続しやすくなります。
オンラインレッスンを活用する
独学が難しい人は、講師から直接指導を受けられるオンライン学習を取り入れるといいでしょう。場所や時間を選ぶことなく、好きなタイミングで学習ができるため、学習に取り掛かるまでのハードルを下げられます。
日本語オンラインスクールでは、企業様のニーズや受講生の方に合わせたJLPT対策をレッスンに組み込むなど柔軟に対応しています。
まとめ:N2は日本社会で生きるための第一歩
N2は、日本語学習のゴールではなく、新しいスタートラインです。N2合格は決して簡単ではありませんが、努力を重ねれば合格の可能性は誰にでも十分にあります。
少しずつ語彙を増やし、文法を理解し、読む・聞く力を鍛えていけば、自信を持って試験に臨めるようになります。
そして、その努力はN2の試験だけでなく、職場や学習、日常生活の幅をぐっと広げてくれます。
勉強の途中でつまずくことがあっても、一歩ずつ進めば必ず力になります。「日本で生きる力」を育てる第一歩であることを忘れずにN2合格を目指しましょう。
効率よく学びたい人には「日本語オンラインスクール」の活用がおすすめです。プロの講師から直接フィードバックを受けることで、弱点を克服できます。
当スクールの受講生の方は、JLPT受験前に当スクール負担でオンラインハーフ模試を受講いただけます。また、受講前後での実際の日本語会話レベルのチェックや月次レポートも行っています。講師とレベルやウィークポイントのチェックが可能ですので、効率的に学習を進められます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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