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ベトナム人社員向け日本語ビジネス研修ー基礎
2024年7月18日 公開
近年、日本企業で働くベトナム人社員の数が増加しています。厚生労働省の発表によると、令和4年10月末時点で外国人労働者数は182.2万人と前年より9.6万人増加し、過去最高を更新しました。特にベトナム人労働者が多く、全体の25.4%を占めています。この増加の背景には、2019年に導入された「特定技能」の在留資格があり、専門的・技術的分野での雇用が前年より21.7%増加しました。これにより、日本企業のベトナム人労働者に対するニーズが高まっていることが示されています。 しかし、ベトナムと日本における言語や文化、ビジネス慣習の違いから、仕事の現場でのコミュニケーションに課題を抱えてしまい、短期間で離職をするケースも少なくないようです。本記事では、特に日本で就労するベトナム人向けにより効果的な日本語ビジネス研修の方法の基礎を紹介していきます。
1. 日本とベトナムのビジネスマナーの違い
まず大前提として、日本とベトナムでは、ビジネスマナーに多くの違いがあります。まず、日本の独特のビジネスマナーの基本を理解することが重要です。日本では、礼儀正しさや時間厳守が非常に重視されます。挨拶は丁寧に行い、名刺交換も一つの儀式のように重要視されます。名刺は両手で渡し、受け取るときも両手で受け取り、相手の名前や役職を確認します。また、会議や打ち合わせでは、発言する前に必ず相手の意見を尊重し、順番を守ることが求められます。
一方、ベトナムのビジネスマナーは、日本とは異なる点が多いです。例えば、ベトナムでは家族や親しい関係を重視する文化があり、ビジネスの場でも相手と比較的カジュアルに接するなど、文化的な影響が見られます。また、時間に対する感覚も異なり、日本ほど厳密ではない場合が多いです。ベトナムでは、挨拶や名刺交換も行われますが、日本ほど形式的ではなく、もう少しリラックスした雰囲気で行われることが多いです。
このような文化的背景と価値観の根本的な違いを理解することは、ベトナム人社員が日本で円滑にビジネスを進めるために不可欠です。文化の違いを尊重しつつ、適応するための方法を学ぶことが大切です。
2. ベトナム人に日本のビジネス文化を理解してもらうための研修
ベトナム人社員が日本のビジネス文化を理解し、実際の業務で役立つスキルを身に付けるための研修は、多角的なアプローチが必要です。まず、文化理解のための研修プログラムを導入することが効果的です。このプログラムでは、日本のビジネスマナーや文化についての基本的な知識を提供し、具体的な事例を通じて理解を深めることができます。
ケーススタディやロールプレイを活用することも、非常に有効です。例えば、日本の企業での典型的なビジネスシーンをシミュレーションし、ベトナム人社員がどのように対応すべきかを実際に体験させることができます。これにより、理論だけでなく、実践的なスキルも身に付けることができます。
さらに、実務に役立つ日本語表現の習得も重要です。ビジネスの場では、適切な敬語や丁寧な表現を使うことが求められます。そのための特別なトレーニングを行い、日常的なビジネスシーンでのコミュニケーション能力を高めることが大切です。例えば、電話応対やメールの書き方、会議での発言方法など、具体的なシチュエーションに基づいた日本語の使い方を学ぶことで、自信を持って業務に取り組むことができるようになります。
以下はそれぞれ弊社のオンライン日本語レッスンの事例になります。
会話レベル5
国籍:ベトナム 建設業界 技術者
会話レベル5
国籍:ベトナム ITシステム開発 技術者
3. 効果的な日本語ビジネス研修
ベトナム人社員に対する日本語ビジネス研修を効果的に行うためには、彼らの国民性を考慮したアプローチが重要です。ベトナム人は一般的に親しみやすく、社交的な性格を持つことが多いです。この特性を活かし、グループディスカッションやチームビルディングの要素を取り入れた研修が効果的です。相互に学び合う環境を作ることで、モチベーションを高め、学習効果を向上させることができます。
一方で、逆効果なパターンや注意すべき点もあります。例えば、厳格すぎるルールや形式に縛られる研修は、ベトナム人にとってストレスとなり、学習意欲を削ぐ可能性があります。また、一方的な講義形式ではなく、参加型のアプローチを心掛けることが重要です。実践的な演習やフィードバックを通じて、学んだ内容を具体的な業務に活かせるようにすることが求められます。重要なことは、インプットだけに偏らず、アウトプットをする機会をより多くすること、そしてアウトプットの内容が現場に即した内容とすることがビジネス日本語力の向上に大きく寄与します。
当社事例紹介
実例の紹介として、弊社でオンラインビジネス日本語研修でご支援をさせていただきました会社様の事例の紹介もさせていただきます。
東洋電制製作所様にはベトナム籍のスタッフが多数在籍しており、日本語レベルの向上が重要なテーマとなっていました。特に、N5~N4レベルのスタッフ計約10名の日本語レベルの向上が重要なテーマでした。概ねN5、N4レベルの社員の場合ですと、周りの日本人とのコミュニケーションが取れず、上司からの指示を理解できない、自分が言いたい事も上手く伝えられないなどの問題が発生していて、社員自身にとって、ストレスや辛い日々が続いていました。
このため業務連絡などのやり取りをはじめ、現場での日本人社員との間に、コミュニケーションミスが発生しないように、コミュニケーションレベルを向上させることを業務上の目標とし、ただ学ぶというインプット型の学習スタイルではなく、受講生による会話中心のアウトプット型のクラスで研修を進めました。実際に学習した文法を使って、発話する機会を増やしていただいているのが、日本語力向上の成果につながり、導入して3ヶ月程度しか経っていませんが、受講社員が少しずつ自信をもって喋れるようになり、同時に聞く力も伸びてきたと好評をいただきました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。当記事では日本で働くベトナム人社員向けの日本語ビジネス研修の基礎について紹介していきました。弊社ではベトナム人向けのビジネス日本語研修の事例が多数ございますので、もし導入にご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひ気軽にご相談をいただけますと幸いです。
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