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外国人社員のビジネス日本語研修は内製化?それとも外注すべきか?
2023年5月10日 公開
多くの企業が外国人を雇用する場合、直面する課題の一つに、外国人材のビジネス日本語能力の問題があります。高いビジネス日本語能力を持つ外国人材は需要が高く、採用時には日本語能力が十分であると思われた人材でも、実際に業務を担当すると読み書き能力が不十分であることが多々あります。
たとえば、会話でのやりとり能力は確認したものの、実際の業務では資料を読んだり簡単な文書を扱う場面が多く、思った以上にできないということがあります。そのため、多くの企業は外国人社員のビジネス日本語能力向上に力を注がざるを得ません。
今回は、自社の外国人社員の日本語教育について、以下の観点で考えていきます。
1. 自社内でのビジネス日本語教育
2. 外部のビジネス日本語研修サービスの利用
日本語教育をしなくても、日本で働いていればそのうち上手くなる?
今回は、外国人材を採用した企業が、彼らに対して日本語教育を実施すべきかどうかについて考えてみたいと思います。
多くの企業からは、「日本で働けば、自然に日本語が上達するのではないか」という声が聞かれます。しかし、実際には、日本語を習得するためには、努力と時間が必要です。また、外国人材がビジネス上で使える日本語を自然に身につけるまで待つのは、会社にとって大きな損失となります。
外国人材が職場でうまくコミュニケーションをとれないことは、彼らが不満を持つ大きな理由の1つです。また、日本人側も、日本語能力の低い外国人社員とのコミュニケーションにストレスを感じることがあります。
円滑なコミュニケーションができない期間が長引くと、業務効率が低下し、任せられる業務も限られてしまいます。その結果、外国人社員は職場でお荷物のような存在になってしまいます。
採用に多大なコストと労力をかけた外国人材を早期に戦力化するためには、日本語教育が効果的な方法の1つです。
内製化/外注を問わず、外国人材への日本語教育で重要なポイント
会社が外国人社員の日本語能力を伸ばすためには、内製化や外注化にかかわらず、以下の3つのステップを踏むことが重要です。
1.業務で必要な日本語レベルを検討し、共有する。
2.会社としての日本語教育のゴールを設定する。
3.日本語教育の方法を検討し、自社で行うか研修事業者に依頼するかを決定する。
これらを考えることなく、とりあえず日本語学習ツールを導入しても、期待された効果を得ることはできません。まずは、これらの3つのポイントについて簡単に説明していきます。
業務で必要となる日本語レベルの検討と共有
外国人社員の日本語能力向上を目指す際には、業務で必要な日本語レベルが目標となります。目的は、「業務を円滑に行い、戦力になってくれること」であり、JLPTやBJTなどの資格取得が目的ではありません。従って、外国人社員が実際に使用する日本語について整理し、業務に必要な日本語能力を明確にすることが大変有効です。
また、この考え方は外国人材の採用にも役立ちます。採用後に「もっと日本語能力が必要だ」とならないように、採用時にできるだけ正確に"自社業務で必要となる日本語レベルを有している(もしくはそれに近い)外国人材"を選ぶことが重要です。これまで、「面接でなんとなくコミュニケーションがとれたから」や「N2を持っていたから」といった理由での外国人材の日本語レベルの判断は、適切ではありません。企業の皆様はぜひ、この点について検討していただければ幸いです。
会社として行う日本語教育のゴール設定
業務に必要な日本語レベルを把握したら、それを基に、どのような日本語スキルを社員に身につけさせたいかを明確にすることが重要です。 例えば、「Aさんはこの業務には対応できているが、この点では改善が必要。そのため、このスキルを習得させたい」といった具合です。
この点は、自社で日本語教育を行う場合も、外部の日本語教育機関に依頼する場合も同じです。
日本語教育の方法の検討(自社で行うor研修事業者に依頼する)
日本語教育のゴール設定が完了したら、どのように日本語教育を実施するか、方法を検討していきます。 会社が自前で日本語教育を行うべきか、それとも専門家に依頼するべきかは、その会社の日本語教育の緊急度や予算によって異なります。
以下の比較表を参考にしながら、自社の状況に合った方法を選択してください。
日本語教育の「内製化」と「外注」の比較
【内製化が適している場合】
以下のような状況の企業は、日本語教育を自社内で行うことが適しています。
・外部に委託するための予算を確保できない。
・社内の人事や総務スタッフが日本語教育のための時間をある程度確保できる。
・今後継続的に外国人材を採用・育成する予定なので、自社内で教育できるノウハウを蓄積させていきたい。
・専門機関に依頼するほど日本語レベルは低くなく、あくまで自社でできる範囲で支援したい。
ただし、第二言語としての日本語教育と、日本人が学校で受ける国語教育は大きく異なります。このことを認識した上で、日本語教育の担当者は、どのような教材を使い、どのように日本語を教えるかを検討する必要があります。この作業は、日本語を母語とする日本人にとってさえ困難な場合があります。
しかし、自社で外国人社員の日本語能力を向上させるノウハウを持っていることは、人事戦略上非常に重要です。外国人社員の入社後に日本語レベルを向上させることができるため、採用時に高い日本語能力を求める必要がなくなるかもしれません。これにより、技術力など他の側面を重視した採用が可能になります。また、社内コミュニケーションが円滑になり、会社全体の業務効率が向上するメリットもあります。
【外注化が適している場合】
以下のような場合には、外部のビジネス日本語研修サービス会社にビジネス日本語教育を依頼することをおすすめします。
・自社スタッフが、外国人社員の日本語教育のためになかなか時間を確保できない
・(金額の多寡は別として)必要に応じて日本語研修のための予算を用意できる
・日本語によるコミュニケーションができず業務に支障をきたしているため、早急に日本語レベルを上げたい(緊急度が高い)
・自社内で日本語教育を行う自信がない(確実に結果を出したい)
日本語教育を内製化するには、そのノウハウを構築するための労力と時間が必要です。外国人社員の日本語レベルを一定期間で確実に上げたい場合や、日本語教育のための予算を確保できる場合は、専門家に外注するのがよいでしょう。
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