代表者コラム
日本語オンラインスクール > 代表者コラム > 外国人社員の即戦力化。入社前オンライン日本語研修のすすめ
外国人社員の即戦力化。入社前オンライン日本語研修のすすめ
2025年3月25日 公開
近年、多くの日本企業が外国人社員の採用を積極的に進めています。しかし、入社後に言葉の壁が原因でパフォーマンスを発揮できないケースも少なくありません。
例えば、N2以上の日本語能力試験に合格していたり、また、面接時に日本語での受け答えが問題なかった場合でも実際に現場に配属されて仕事をはじめてみると、日本語でのコミュニケーションが上手くできない場合があります。これには様々な理由が想定されますが、日本の独特の文化やビジネス慣習であったり、敬語の使い分けなど、日常会話とは異なるコミュニケーションになるためになります。
こうした課題を解決するために、外国人社員が来日前にオンラインでの日本語研修を導入することで、入社前までに日本語力を向上させる研修が注目されています。当記事では実際に弊社がオンライン日本語研修を支援させていただいた事例を紹介しながら、外国人向けのオンライン日本語研修の導入メリットを説明させていただきます。
【1】職場での円滑なコミュニケーションが可能になる
日本企業では、業務上のやりとりだけでなく、同僚や上司との日常的な会話も重要視されます。例えば、会議での発言やメールのやりとり、同僚との雑談の中には、日本独特の言い回しやビジネスマナーが多く含まれています。事前にオンライン研修を受けることで、敬語の使い方や適切な表現を学び、職場でのコミュニケーションを円滑にすることができます。これにより、入社後のストレスが軽減され、周囲との関係もスムーズに築くことができるでしょう。
【2】日本のビジネスマナーを理解し、適応しやすくなる
日本の職場では、言葉の使い方だけでなく、挨拶や報告・連絡・相談(ホウレンソウ)といった独自のビジネスマナーが求められます。例えば、会議の場で上司や先輩に対してどのように発言するべきか、電話応対の際に適切な言葉遣いができるかといったことは、入社後すぐに求められるスキルです。オンライン日本語研修では、これらの実践的なビジネスマナーを学ぶことができるため、入社後に戸惑うことなくスムーズに業務に取り組むことが可能になります。
【3】仕事の理解度が向上し、パフォーマンスを発揮しやすくなる
業務に関連する専門用語やビジネス用語をあらかじめ学んでおくことで、実際の仕事の理解度が大きく向上します。例えば、IT企業に就職する場合、「開発」「実装」「バグ修正」などの技術的な日本語の意味を事前に学んでおけば、研修や会議の内容をすぐに理解し、積極的に意見を述べることができるようになります。また、日本語の資料やマニュアルをスムーズに読めるようになることで、業務効率も向上し、より早く企業の期待に応えられるようになります。日本語オンラインスクールでは業界業種ごとに会話シチュエーションを想定したカスタマイズレッスンが受講できるため、現場で求められる日本語トレーニングが可能です。
【4】文化的なギャップを減らし、ストレスを軽減できる
言語と文化は密接に結びついており、日本語を学ぶことで日本の文化や価値観についても理解が深まります。例えば、日本の職場では「空気を読む」という概念が重要視されることがありますが、これを理解せずに発言すると、意図せずに誤解を招くことがあります。オンライン日本語研修では、言葉の背景にある文化的なニュアンスや、日本人特有のコミュニケーションの特徴についても学ぶことができるため、文化的なギャップによるストレスを軽減できます。
【5】自信を持って入社し、良いスタートを切ることができる
言葉に自信がないまま新しい職場に入ると、不安やプレッシャーを感じてしまうことがあります。しかし、事前にオンライン日本語研修を受けることで、最低限の会話能力やビジネスマナーを身につけておけば、「日本語が通じないのではないか」「正しく伝えられないのではないか」といった不安を軽減できます。自信を持って仕事に取り組めることで、積極的にコミュニケーションを取りやすくなり、職場での評価やキャリアアップにも良い影響を与えるでしょう。
日本語オンラインスクールでの来日前の日本語研修例
来日前に具体的にどのような日本語研修をおこなったのかご興味をお持ちなられた方もいらっしゃるかと思います。弊社がオンライン日本語研修を支援させていただいた事例をもとに、簡単にですが日本語研修の流れを紹介していきます。日本語研修をご依頼いただく企業様の傾向としては全国規模の大手技術者派遣会社や、大手メーカーが多い傾向になります。
外国人の出身国としてはベトナムが多く、その次にフィリピン。現地で直接採用が多く、現地のトップレベルの工学系大学と提携しているケースが多いです。職種は主に技術者。機械設計や電気設計エンジニアが多く、日本語レベルは、採用時N5〜N4。入社後、目標としている日本語レベルはN2が多い傾向にあります。
【来日前のオンライン日本語研修のフロー】
最初に外国人社員の日本語力のレベルチェックをおこない、個別カリキュラムを作成します。その後、テキストを現地へ発送します。
【オンライン日本語研修のスケジュール/カリキュラム】
来日前から開始し、来日後も業務ペースに合わせて継続受講をおこないます。受講スケジュールとしては概ね週3回/60分を合計で70回ほど実施します。受講者によりましては週3回90分/96回実施する場合もあります。学習期間は、6ヶ月〜1年間が多い傾向です。
当スクールのレッスンは、受講生の会話量が圧倒的に多いのが特徴です。実務経験のある講師が「仕事で使う表現」や「文法基礎表現」を会話の中で定着させます。受講生が自分の考えを表現し、楽しみながら、現場で使える語学力を養えます。
会話レベル4
国籍:ベトナム 建設業界 技術者
会話レベル8
国籍:中国 ITシステム開発 技術者
【オンライン日本語研修の利用テキスト(一例)】
- みんなの日本語初級I、みんなの日本語初級II
- ゲンバの日本語基礎編、応用編、単語帳IT
- TRY!日本語能力試験N3,N2
まとめ
いかがでしたでしょうか。外国人社員が入社後すぐに活躍できる環境を整えるための1つの手段として入社前のビジネス日本語研修はとても重要です。少しでもご興味をお持ちになられた方や質問がある方、導入のお見積もり依頼などもぜひ気軽に弊社までお問い合わせをいただけましたら幸いです。
関連記事
日本語会話力を上達させる日本語研修方法を3点紹介!
https://nihongo-jinzai.com/column-page/column60/
外国人従業員の日本語会話研修やビジネス研修を支援する助成金制度まとめ
https://nihongo-jinzai.com/column-page/column103/