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外国人社員におすすめしたい日本語能力試験JLPTとは

2021年5月29日 公開

外国人社員におすすめしたい日本語能力試験JLPTとは

外国人社員と関わる際に、「どの程度の日本語能力があるのだろう?」と悩んだことはありませんか?会話をしただけでは、その人の知識や経験を測ることは難しいですよね。また実務で使える日本語を育てるには、テストで得た学びをアウトプットする場を設けるのもポイントです。

本記事では「外国人社員におすすめしたい日本語能力試験JLPT」を紹介。各レベルや実務への活かし方を解説します。また下記資料では、製造業・建築業をはじめ、各企業が「外国人社員の日本語力向上」のために行っている施策をまとめておりますので、よろしければご参考ください。

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日常会話ができても、ビジネス会話がいまいち・・日本人社員とのコミュニケーションがままならない。そんな課題を解決した企業施策を紹介しています。

日本語能力試験JLPTとは

日本語能力試験JLPTとは「Japanese Language Proficiency Test」の略で、外国人の日本語能力を測定し、レベル分けする試験です。国内では全国の主要都市が受験会場となり、年に2回、7月と12月に実施されています。

学校や企業へ提出する公的な証明として使えるため、日本での就労や留学を予定している多くの外国人が受験します。すでに日本企業で働いている外国人社員が、昇給や昇格を目的に受験する場合もありますよ。

現在の合計受験者数は、なんと約61万人。それだけ広く認知され、浸透している世界規模の試験なのですね。

日本語能力試験JLPTのレベル分けと難易度について

日本語能力試験JLPTは、難易度が高い順にN1~N5の5段階でレベル分けされており、その中から自分のレベルにあったものを選んで受験します。文字・語彙・文法の言語知識だけでなく、聴解試験がありコミュニケーション能力も測りますよ。自分の意思を伝え、相手の話を聞き取る能力も重要視されているのですね。

ただし、非常に規模が大きい試験ということもあり、解答はマークシートの記入のみです。面接や作文など、実際に話したり書いたりする項目はないため、試験結果による日本語レベルはあくまで目安と考えたほうがよいでしょう。

それでも外国人雇用者を受け入れる立場としては、合格基準を知っておくことで日本語能力を測る参考になりますよ。

以下では、各レベルの難易度と試験問題の内容を紹介します。

N1

最も難易度が高いN1は、さまざまなシーンで日本語を読んだり聞いたりして理解できるレベルです。新聞や評論などを読んで意味がわかる、ニュースや講義などを聞いて内容が把握できるという、かなりハイレベルな要素が求められます。

試験は、ビジネスシーンや社会問題をテーマに出題されることが多いです。

言語知識の問題では、難しい熟語の読みや類義語を回答します。その他にも文章を読んで筆者の主張を汲みとったり、文章の繋ぎとなる一文を選んだりする問題があります。言葉の言い回しや意味を理解できないと答えられないような、非常にハイレベルな内容なのです。

読解問題では、ビジネスシーンにおける会話を聞き回答します。
試験で流れる音声は、日本人がスピーディーに会話するような速さで、聞き取るには日本語への慣れと経験が必要でしょう。

日本人がよく使う抽象的な表現から意図をくみ取るスキルも必要で、認定されるとビジネス上のやりとりが問題なくできるとされています。日本人はあえて遠回しな言い方や遠慮がちな表現をしますよね。そこまで汲み取れるというのは、さまざまなシーンに対応できる日本語能力を身につけているといえるでしょう。

N2

次に難易度の高いN2は、日常で使う日本語がしっかりと理解できているレベルです。新聞や評論、ニュースや講義などもわかりやすい内容であれば、流れや趣旨を理解できます。

試験は、日常会話から書籍の引用まで幅広いテーマで出題され、読解能力が必要です。

言語知識の問題では、漢字の読みや短い文の空欄に当てはまる言葉を回答します。わかりやすく短い文ですが、全体の内容を理解しなければ空欄を埋められないものもありますよ。

聴解問題では、会話の中にでてきた物をイラストから選んだり、会話に対する設問に答えたりします。試験で流れる音声は、N1に比べると少しゆっくりした口調です。

日常生活においてのやり取りがスムーズにできるため、ビジネス上で最低限必要なレベルは満たしているといえるでしょう。N2認定者とコミュニケーションをとる際は、簡単な言葉や短い文章で表現することを心掛けると、問題なく理解してもらえますよ。

N3

N3は、日常で使う日本語をいくらか理解しているレベルです。新聞の見出しやニュースで聞き取れる単語から、ある程度の内容を把握できます。

試験は、学校や日常生活を題材にしたわかりやすい内容です。

言語知識の問題では、非常に簡単な漢字の読みや空欄に当てはまる接続詞を回答します。短い文の内容について、正しいものを選択する問題もあり、最低限の読解力が必要です。

聴解問題では、会話から時間を聞き取ったり、イラストで表された人物が何と言っているかを答えたりします。試験で流れる音声は、かなりゆっくりとした口調ですよ。

日常生活では不自由なくコミュニケーションを取れますが、ビジネスシーンでは難しいことが多いでしょう。接客業や営業の仕事などではなく、1人で仕事をする業種であれば大きな問題はありません。

N4

N4は、簡単な日本語であれば理解できるレベルです。漢字や簡単な文章を読むことができ、話の内容がわかります。しかし、自分の言葉で表現し発語することができない人も多いです。

試験問題はほとんどが平仮名で書かれ、日常的に使う物の名前や、日常生活の一場面が題材です。

言語知識の問題では、簡単な漢字の読みや空欄に入る名詞を答えます。また手紙の内容や店の紹介文を読んでから回答するという、読解力が必要な問題もありますよ。

聴解問題では、非常にゆっくり流れる音声で短いストーリーを聞きます。学校がテーマになっていることが多いです。

N4認定者は、簡単な日本語であれば理解できます。意識してゆっくり話したり、やさしい言葉に言い換えたりと、コミュニケーションの取り方に配慮していきましょう。

N5

N5は基本的な日本語をある程度理解できるレベルです。定型的な文や漢字は読んで理解するでしょう。会話は難しいですが、挨拶や自己紹介をすることはできますよ。

試験問題はすべて平仮名で書かれ、日常生活や学校での一場面など、理解しやすいものが題材となっています。言語知識の問題では、平仮名を片仮名になおしたり、日常的に使う簡単な漢字を答えたりします。

聴解問題は、イラストをみて回答するものが多いです。音声は聴き取りやすいよう、非常にゆっくり流れますよ。

N5認定者は文法や語彙の知識があっても、実際にコミュニケーションをとることは難しいです。日本語で話しかける際は、ゆっくりした口調を意識すると必要な情報を聴き取ってもらえる場合もあります。

外国人社員が日本語能力試験JLPTを受けるメリット

外国人社員にとって、日本語能力試験JLPTを受けることには多くのメリットがあります。合格すると、ビジネスシーンにおいてさまざまな優遇や資格認定がもらえるのです。

以下では、「どのようなメリットがあるのか?」を具体的に説明します。

難易度の高いレベルは就職に役立つ

ビジネスレベルといわれているN1・N2に合格すると、日本語でコミュニケーションをとりながら働くことができるという証明になります。企業からしても信頼できるため、採用率が上がるでしょう。

たとえば、医師国家試験や准看護師試験の受験にはN1の認定が必須です。他にも専門的な職種は、日本語能力の証明が必要になることが多いですよ。

ここまで聞くと、難易度が高く「合格者が少ないのでは?」と思ってしまいますよね。たしかに、合格までに学習量や経験は必要です。

しかし難関を突破して合格すると、高い日本語能力があるという証明になります。企業の大きな戦力となる人材であることに間違いないでしょう。

日本語力を公的に証明できる

日本語能力試験を受験し認定されると、「成績証明書」を発行することができます。日本語力を証明する公的な書類になるのですよ。

証明書には合否や得点が記載されており、どの程度の日本語力があるか知ることができます。企業側としても、採用の際に目安になりますね。

出入国管理上の優遇措置を受けるためのポイントがつく

N1とN2の合格者は、優遇措置を受けるためのポイントがもらえます。法務省が管理する「高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度」1)では、職歴や年収などに応じて、外国人にポイントを与えるのです。日本語能力試験に合格すると、N1は15ポイント、N2は10ポイントがつきますよ。

その合計が70ポイント以上になると、優遇措置が与えられるのです。優遇措置では、さまざまな活動が許容されます。また、在留期間の延長や永住許可要件の緩和など、日本に滞在する外国人にとってメリットばかりです。

法務省入国管理局“高度人材に対するポイント制による出入国管理上の優遇制度”

BJTとJLPTとの具体的なちがいとは

ここまで「日本語能力試験JLPT」についてお話してきましたが、実は似た試験の「BJTビジネス日本語能力試験」というものもあるのです。ビジネスにおける日本語の試験ということは名前から想像できますが、具体的にどのような試験なのか「JLPT」と比較しながらお伝えします。

目的が違う

日本語能力試験JLPTは、外国人の日本語能力測定するのが目的です。日常会話からビジネスレベルまで、日本語能力を幅広く認定していましたね。

対して、「BJTビジネス日本語能力試験」は「Business Japanese Proficiency Test」の略で、日本のビジネス社会におけるコミュニケーション能力を測る試験です。BJTで高いスコアを出すほど、日本企業への就職が有利になるでしょう。

日本のビジネス社会には独特の言葉遣いや行動があります。日常会話レベルでは、ビジネスの世界で通用しないと言われているほど、外国人にとっては頭を悩ませるものなのです。

試験方法が違う

日本語能力試験JLPTは、N1~N5の5段階でレベル分けされており、その中から自分のレベルにあったものを選んで受験するとお伝えしましたね。

一方、「BJTビジネス日本語能力試験」は全員が同じテストを受けます。800点満点で採点し、結果に応じてJ5~J1+の6段階で評価されるのです。レベルごとに何度も試験を受ける必要はなく、一度の受験で日本語能力が測れるのですね。

まとめ

今回は「外国人社員におすすめしたい日本語能力試験JLPT」を紹介しました。日本で就業する外国人だけでなく、外国人を雇用する企業にとっても非常に大きなメリットがあります。

レベル認定のために学習をすることで、外国人社員の日本語力向上も望めるでしょう。外国人社員の日本語能力が向上すれば、コミュニケーションが円滑になり、業務効率が上がることは間違いありません。積極的に受験してもらえるよう、学習できる環境を作っていきましょう。

実務に使える日本語を重視するならJLPTのレベル認定で終わらせず、会話力を指標化するのも大切です。外国人社員の日本語の会話力、特にビジネス特有の表現を上達させるのは難しいもの。日本語オンラインスクールでは、仕事に直結する実践的な日本語を学んでもらうことに重きを置いており、覚えた日本語を常にアウトプットができる環境が整っています。貴社の業務内容に合わせて柔軟にカスタマイズした研修内容を提供させていただきますのでまずは、お気軽にご相談ください。

また、短期間で学習効果を上げるには研修で学んだことを実践できる場を設けるのも有効。交流会を設けたり、外国人社員の文章を社員が添削するなどできることからはじめてみましょう。下記資料では、各社が行っているビジネス日本語向上施策をまとめていますので、よろしければご参考ください。

【資料】ビジネス日本語を強化する企業の取り組み事例

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