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日本語研修を成功させるコツと失敗事例~後編~
2021年4月30日 公開
せっかく高い金額を払ってスクールに通わせたり、研修を受けても外国人社員が思うように日本語が上達していなかったり、会話能力が伸びたかどうか結局分からなかったという経験はないでしょうか。
総務や人事担当の方は、現場の日本人社員から「現場で外国人社員とコミュニケーションが上手く取れないので何とかしてほしい」という相談を受けて、日本語研修を検討されることがほとんどです。
しかし当スクールへお問合せいただく方の中には、過去に日本語研修を実施したものの、研修後に日本語上達の成果を感じられず、現場の社員からは「あまり状況変わっていない」と言われるケースもあるようです。
日本語研修が失敗するのはどんなケース?
日本語研修が失敗するケースとしては以下の内容が挙げられます。それぞれのメリットやデメリットについて確認しましょう。
1.日本語研修実施前の段階で目標のレベル設定をしていない
2.目標とするレベル到達に向けてどんな方法があるか検討しきれていない
3.受講前後でどのくらい伸びたのか、学習効果を客観的に把握できる基準を準備していない
以前のコラムでは、1と2についてご紹介しましたので、本日は、3についてご紹介します。
3.受講前後でどのくらい伸びたのか、学習効果を客観的に把握できる基準を準備していない
人手不足などの影響から外国人を雇用している企業も増えてきています。
外国人の多くは母国で日本語を学んで来日していますが、あまり実用的な日本語を学ぶ機会がなく、現場で日本人社員とコミュニーションがうまく取れず苦労しているという話を聞いたことはないでしょうか。
また企業側や現場の声を聞いてみると日本語が上達したのか分からず、費用対効果が得られないとして来年度の予算から削られるといったケースもあるようです。
また日本語研修を受けても現場でうまくコミュニケーションが取れないことによって疎外感が生まれ、習った日本語を積極的に話せなくなるという悪循環を生んでしまう可能性も出てきます。
そのため誰が見ても成長したと分かるような仕組みを作ることが大切です。
学習効果を客観的に把握のハウツー
学習効果を客観的に把握するハウツーとして、会話チェックをした動画をビフォー・アフターで撮影しておき、比較するという方法があることはご存知でしょうか。
これは企業側はもちろんのこと、外国人学習者が自分の動画をチェックすることで現状のレベルを把握することができ、今後の学習課題を見つけやすい点が挙げられます。
また年に2回行われる日本語能力試験(JLPT)の実施や、テストのスコアからレベルを評価できるBJTビジネス日本語能力テスト(BJT)、スクールによっては独自の会話指標を持つところもあります。
当スクールをご導入の企業様では、JLPTや、会話レベルを10段階に分けた独自指標を使い、受講前後での効果が把握できる仕組みを取り入れています。
このように日本語が上達しているか把握する方法は、いくつもあります。これらを目標として研修を進めることも外国人の成長につながりますので、参考にしてみてください。
まとめ
企業様の中にはスクールに申し込んだものの学習効果が得られなかったり、研修後外国人社員が実際成長したのかどうか分からなかったというケースもあるでしょう。
せっかく予算を組んだのであれば、それに見合う結果が出なければ来年度の予算が削られることは当然のことです。
しかし外国人従業員と日本人社員との間でコミュニケーションの問題を抱えている企業も多いため、日本語学習は力を入れて取り組みたい分野でもあります。
ここでは実際の教育事例や外国人社員採用についてお役立ちコラムを定期的に配信します